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第三局を制し雛人形の前で笑顔を見せる久保利明八段 |
第57期王将戦7番勝負の第3局2日目が7日、指し継がれ、「必死で臨む」とした挑戦者久保利明八段(32)が待望の1勝を挙げた。居飛車穴熊の堅 陣を構えた羽生善治王将(37)は、終盤に驚異の粘りを見せて勝機を探ったが、久保の攻めをかわせなかった。終局は午後5時56分、111手まで。
そう簡単に勝たせはしない、羽生の意地が驚くような粘り腰を生み出す。最終盤90手目、角を成り捨てての王手から、“もしかして”の場面を作り出しファンを沸かせた。
1日目は久保が封じて終了した。封じ手は4五銀。戦闘開始を告げる。前2局ともに封じ手直後から、局面が大きく変化している。本局も同様に盤上が激しく なった。久保は49手目4五同桂〜2三銀とぐいぐい攻める。羽生は終始受けに回っている。
意気込みがうまくかみ合わず、結果に結びつかなかった久保だが、本局ではがっちりとハミがかかって、軽快な攻め、さばきが続いた。羽生は64手目4五歩 で桂馬を駒得するが、その瞬間に久保は6筋の飛車を働かせ、敵陣深くに竜を作り圧力をかける一方で、羽生飛車を9筋に押し込めて、威力を封じてもいた。
「攻めている感じがする。切れないように慎重にいかなければ」と久保。自分のスタンスで将棋ができているともいう。羽生は「今のところ受けに回り、耐え 忍ぶしかない」と渋い表情だ。飛車が働かず自陣のか細い守りにしか使えない羽生。穴熊の堅陣も駒をはがされ「寒い」状態に追い込まれていく。
そして、90手目の角切りから96手目5二飛で封じ込められていた飛車を5筋に展開し「攻め」に入った。同時 に巧みに自陣を補強し「何だ、薄い穴熊がよみがえってしまった」と控室の検討陣を驚嘆させた。 しかし、久保の攻めはとぎれなかった。厚い穴熊の壁をじわりと壊して羽生王にとどめをさした。さばきのアーティストという異名を存分に発揮した第3局 だ。第4局は19、20の両日に島根県大田市「さんべ荘」で指される。