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西部邁さん入水自殺 「朝生」保守の論客、多摩川の河川敷に遺書

 保守派の論客として知られ、テレビ朝日「朝まで生テレビ!」など多数のテレビ番組でも活躍した評論家、西部邁(にしべ・すすむ)さん(78)が21日朝、東京都大田区田園調布の多摩川で浮かんだ状態で発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。河川敷に遺書が残されており、警視庁は入水自殺の可能性があるとみて調べている。14年の妻の死などによって自身の死への思索を深め、自死への思いを周囲に打ち明けていた。

 捜査関係者によると西部さんは21日未明から行方が分からなくなり、捜索願が出ていた。午前6時40分ごろ、自宅から約7キロの多摩川で「父が川に飛び込んだ」と長男が110番通報。駆け付けた田園調布署の署員が救出したが既に意識がなかった。溺死とみられ、遺書もあったことから同署は自殺とみて調べている。

 「朝まで生テレビ!」(朝生)で故大島渚さんらと大激論を展開し、番組名物となっていた西部さん。精力的に仕事を続けていたが、体調は万全ではなかった。2012年ごろに咽頭がんが見つかり、手術で除去。関係者によると、万が一、再発が見つかると「病院から出られなくなる」と再検査には消極的だった。最近は頸椎(けいつい)を痛め、手書きを貫いた執筆作業ができず「頭から上は元気なのに」とぼやいていたという。

 14年には高校の同級生だった妻に先立たれ、大きな喪失感に襲われ「病院では死にたくない」として自死への憧憬(しょうけい)を周囲に明かした。「朝生」で共演したジャーナリスト、田原総一朗氏(83)は「死ぬ時は自殺したいと言っていた。自分のことは自分でけじめをつけるということで、体が不自由な状況が許せなかったのでは」と悼んだ。過去の出演番組で自殺について言及したことも。前日の20日に放送されたTOKYO MXテレビ「西部邁ゼミナール」(前7・05)では「僕の人生はほとんど、無駄でありました」と意味深な言葉で締めていた。

 大衆社会批判を展開する辛口の評論家として存在感を発揮。田原氏は「曖昧なことが大嫌い。日本は安全保障も経済も、大事な部分を隠して曖昧。そういうことが我慢できなかったのでは」と語る。

 昨年12月に刊行された最後の著書「保守の真髄」の中で「自然死と呼ばれているもののほとんどは実は偽装」で、その実態は「病院死」だと指摘した。自身は「生の最期を他人に命令されたり弄(いじ)り回されたくない」とし「自裁死」を選択する可能性を示唆。後書きでは、口述筆記をした娘の智子さんに「僕はそう遠くない時機にリタイアするつもり」と語りかけた。主宰した論壇誌「表現者」でも昨年、顧問を引退。覚悟の末に、自ら人生の幕を下ろした。

[ 2018年1月22日 05:30 ]

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