PR:

今なら森友アナウンス効果絶大…国税庁長官会見の利用価値

報道陣に囲まれる学校法人「森友学園」の籠池泰典元理事長
Photo By スポニチ

 【小池聡の今日も手探り】毎年11月11日から17日までの1週間にわたって、国税庁が実施している広報広聴施策「税を考える週間」。去年に比べて今年は、考えを巡らした人が増えたのであろうか。

 直前の8日、会計検査院が税金の無駄遣いなどが計423件・総額874億円に上ったとする2016年度決算の検査報告を安倍晋三首相に提出。これには、参院の要請に基づく学校法人「森友学園」への国有地売却手続きの検査は含まれていない。国に億単位の損害を与えたと指摘される問題だ。

 「…週間」終盤の16日には学校施工業者が会見し、約8億円もの値引き売却に関連して、ごみ撤去などにかかる費用の試算を検査院に送付したなどと説明、一斉に報道された。検査院の“森友検査”の結果が公表されたのは22日のこと。売却額算定について「慎重な調査検討を欠いた」と指摘。一言で言えば、「ずさん」ということだ。

 ここにきて、再び注目を集めているのが佐川宣寿氏。現在の国税庁長官だ。記憶に新しい「森友国会」では売却問題の担当局長である財務省理財局長として度々答弁に立ち、適正な手続きであったと主張。「不当な働きかけはなかった」「面会記録は残っていない」とし、さらに「資料は破棄した」などの答弁を繰り返し、徹底調査を拒否していた。

 これだけの問題でありながら、検査院の検査が出てもなお、佐川氏のコメントは聞こえてこない。そもそも、野党が「論功」と批判する中、7月5日付で長官になりながら、いまだに就任会見さえ行っていない。少なくとも過去10数年の新長官は開催しているといい、極めて異例としか言いようがないが、国税庁は「諸般の事情」と説明している。

 国税庁ホームページによると、「税を考える週間」とは、自発的かつ適正に納税義務を履行してもらうための納税意識の向上に向けた施策であるという。「国税庁の使命」にも触れていて、納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現することとしている。同庁の1丁目1番地は「自発的な納税義務の適正な履行」ということのようだ。

 自民党の石破茂元幹事長はテレビ番組の収録で、検査院の検査結果を受けて、国税庁長官である佐川氏は会見をするべきだと指摘。納税に否定的な空気が広がらないか危機感を抱いているようで、8月にも同様の趣旨の発言をしている。一般の納税者にしてみれば、税務調査に際し「資料は破棄した」「諸般の事情」などと言って抵抗しても始まらないのが実情だ。

 それにしても、「税を考える週間」の認知度はお世辞にも高いとは言えないだろう。周辺の若い人たちに聞いたら「知りません。佐川さんなら知っていますけど…」とのことだった。であるならば、就任から5カ月近く経ったとはいえ、今だからこそ初の長官会見を開いてみてはどうだろう。検査院の検査結果に伴うアナウンス効果は絶大で、間違いなく税を考える契機になりそうだ。

 年が明ければ、間もなくして確定申告シーズン。「自発的な納税義務の適正な履行」まで増えるかどうかはわからないが。(編集委員)

 ◆小池 聡(こいけ・さとる)1965年、東京都生まれ。89年、スポニチ入社。文化社会部所属。趣味は釣り。10数年前にデスク業務に就いた際、日帰り釣行が厳しくなった渓流でのフライフィッシングから海のルアー釣りに転向。基本は岸から気ままにターゲットを狙う「陸(おか)っぱり」。

[ 2017年11月26日 11:15 ]

Webtools & Bookmarks

注目
アイテム

ニュース

注目アイテム

スポニチwikiランキング

      人気ニュースランキング(社会)

      ※集計期間:12月12日02時〜03時

      » 続き

      【楽天】オススメアイテム
      クイックアクセス