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【イマドキの仕事人】Pマーク取得コンサルタント 人的エラー防ぎ個人情報流出守る

常に出入り口のセキュリティーをチェックする久下
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 情報管理に対する関心が高まる中、適切な個人情報の取り扱い事業者に与えられるプライバシーマーク(Pマーク)の取得が広がっている。官公庁の入札や企業間取引にPマークが条件となることも増加。取得の“指南人”は、個人情報の流出を防ぐ鍵として、ハード面のシステム構築だけでなく「個人の意識の向上」を強調した。

 自然とオフィスの出入り口のセキュリティーに目が行ってしまう。パソコンを見ると、スクリーンセーバーがかかっているか気になってしまう。「職業病みたいなものですね」。個人情報保護の“お墨付き”ともいえるPマーク取得のコンサルタント、久下(くげ)秀二(50)は苦笑いした。

 一般財団法人「日本情報経済社会推進協会」が個人情報を適切に扱っている事業者に使用を認めるPマーク。簡単には取得できず、情報管理のルールが確立されているかを示す書類の審査、実際にルール通りに管理されているかの現地審査をパスしなければならない。

 久下が在籍する「ユーピーエフ」は、1000社以上のPマークの取得や更新を手掛け、審査員がコンサルタントとして在籍しているという点が強み。通常は7、8カ月かかり、1年以上かかるケースもあるが、久下は「5、6カ月ほどで取得してもらっている」と胸を張る。

 依頼を受けた後、その会社に出向いて担当者と面談。その際には「外部から誰が何時何分に入ってきたか記録を取らないと審査を通らない」と、入り口にどんなセキュリティーが施されているかなどをチェックする。

 さらに個人情報管理のルールを作成し、社員研修も提案する。「ルールを決めても実行するのは従業員」という思いがあるからだ。実際に現地審査で、机の上に無造作に名刺が積んであったり、パソコンにパスワードが張ってあったりして審査に落ちるケースもある。「個人情報の流出はヒューマンエラーが多い。個人の意識を高めてもらうことが、会社というチームのためになる」と強調した。

 神奈川県横須賀市出身。少年時代は野球に明け暮れた。小学2年でソフトボールを始め、中学、高校と野球部で外野手として活躍。神奈川県の武相高校時代は、ヤクルトなどで活躍した荒井幸雄の横浜商と対戦した。「今でも草野球2チームを掛け持ちしていて野球歴は40年以上。昨年は年間70試合した」という。

 高校卒業後、「これからはハイテクの時代だ」とコンピューター関連の専門学校に進み、一般企業の経理部に勤務したが「接客が好きで、お酒も好きだったので」と酒屋チェーンに転職。フランチャイズシステム構築に伴い、Pマーク取得チームの責任者となった。その時の経験が今、役に立っている。「パソコンを持って帰らない」と社内ルールで決めたが、出入り口近くに無造作に電源の入ったパソコンが置いてあり、「のぞかれる恐れがある」と現地審査で指摘されるなどし「4、5回(審査に)落ちた」という。

 その後、データ処理を行う兄の会社を継承した際にも、Pマークを取得。15年に取得のコンサルティングを行うユーピーエフに入社した。

 近年、インターネット空間に保存した私的画像が外部からのぞき見されたり、大手企業から個人情報が流出したりといったことが相次いでいる。「この仕事を通して、机の鍵のかけ忘れなど、ちょっとした気の緩みが流出につながることを学んだ」という。

 ひとたび個人情報の流出が発覚すれば、社会から糾弾され、時には袋叩きにあうこともある。流出した個人にも迷惑をかける。「個人情報が流出すると、多くの人が苦しむ。情報管理も野球と一緒でチームワークが大切。一人一人が意識を高めれば防ぐことができる」。どんなにデジタル化が進もうと、最後はアナログ。自らの体験をもとに、久下は今日もヒューマンエラーに目を光らせる。=敬称略=

 ≪改正個人情報保護法5月施行≫個人情報を巡っては、今年5月に改正個人情報保護法が施行された。従来は対象外だった5000件以下の個人情報を扱う事業者も法律の対象に加わった。中小企業を中心に情報漏えいへの対策が課題となっており、さらにPマーク取得が広がりそうだ。取得には、申請料や審査・登録料が必要。事業者の規模に応じて約30万〜120万円かかる。有効期間は2年で、更新にも再審査が必要となっている。

[ 2017年9月11日 05:30 ]

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