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一転開催の首相出席集中審議…急速に陰り見せる1強体制

安倍晋三首相
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 【小池聡の今日も手探り】8月3日にも実施される内閣改造・自民党役員人事を前に、すったもんだの末、安倍晋三首相が出席しての予算委員会集中審議が行われることになった。議論すべきは加計問題。自民党は拒否していたが、内閣支持率が続落している中、説明を尽くす必要があると首相自身が判断したと伝えられている。

 支持率続落の主要因の1つは紛れもなく加計問題だ。7月10日に衆参両院で行われた閉会中審査。首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設を巡る問題で7時間にわたり質疑が行われたが、議論は平行線のままだった。

 そもそも、「首相隠し」を狙ったとも受け止められかねない外遊中の開催。しかも、官邸の関与を主張し参考人として招致された前川喜平前文部科学事務次官が「キーパーソン」と言う和泉洋人首相補佐官について、野党が求めていた出席を与党が拒否していた。

 前川氏は昨秋、和泉氏から「総理の口からは言えないから私が代わって言う」と早期開学を求められたと話しており、まさに「キーパーソン」。学園理事長の「腹心の友」である首相と和泉氏がともに不在の中で行われた審査は、関心度が高かっただけに「国民不在のハンドリング」とも感じられた。

 不透明感が依然として残る中、焦点となった首相出席集中審議の開催問題は急転直下の決着となった。野党の開催要求に対して、自民党の竹下亘国対委員長は審査一夜明けの11日の段階で「いまやるべきか疑問だ」「10日の質疑は堂々巡り」と否定的な考えを示し、13日に「必要性を感じない」と拒否。しかし、その日のうちに、首相が竹下氏に「自ら国会の場で説明する意思はある」と電話で伝えた。

 通常国会閉会を受けた会見で「丁寧な説明」と強調していた首相。意地悪に言えば、率先して説明責任を果たす“有言実行の演出”がなされたのではないかとも見えてしまうが、関係者からは「そんな余裕はなかった」との声も漏れた。

 とくに最近の政局は内閣支持率を抜きにしては語ることができない。閉会中審査の直前に行われた世論調査を、政党別支持率と合わせて改めて振り返ってみると―。

 朝日新聞(8〜9日) 支持=33%(マイナス5P)、不支持=47%(プラス5P)、自民党支持=30%(同じ)

 読売新聞(7〜9日) 支持=36%(マイナス13P)、不支持=52%(プラス11P)、自民党支持=31%(マイナス10P)

 NHK(7〜9日) 支持=35%(マイナス13P)、不支持=48%(プラス12P)、自民党支持=30・7%(マイナス5・7P)

 ※日付は各社の調査日、数字の後の()内は前回調査との増減比、Pはポイント

 気になるのが支持の理由。「他の内閣より良さそう」(NHK)など、3社ともに消極的なものが上位に。与党系のベテラン永田町ウオッチャーは「1強、1強と言われてきたが、安倍内閣を支えてきたのは傾向的には以前から消極的支持。小泉内閣を除く他の内閣と同様。決して盤石ではなかった」と強調。その上で、「だからこそ急すぎる。支持率の下がり方が急すぎる」とため息交じりに話した。

 政府関係者は「コアな支持者がおり、自民党の支持率はまだ30%ある。今後、内閣支持率が党支持率より下がる事態となれば、それが本当のレッドラインだ」とし、「内閣改造前の幕引きを狙った首相出席の集中審議だが、本当に幕が引かれるのか」とこぼした。

 いずれにせよ、「追い込まれ解散」ではないが、「追い込まれ審議」というのが実態のようで、安倍1強体制は急速に陰りを見せている。転がる石は止まるのかどうか。 (編集委員)

 ◆小池 聡(こいけ・さとる)1965年、東京都生まれ。89年、スポニチ入社。文化社会部所属。趣味は釣り。10数年前にデスク業務に就いた際、日帰り釣行が厳しくなった渓流でのフライフィッシングから海のルアー釣りに転向。基本は岸から気ままにターゲットを狙う「陸(おか)っぱり」。

[ 2017年7月15日 10:49 ]

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