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慎太郎氏、ゼロ回答も“らしさ”全開 「豊洲」百条委証人喚問

東京都議会の百条委員会で資料に目を通す石原慎太郎元都知事
Photo By 共同

 豊洲市場の移転問題を検証する東京都議会の調査特別委員会(百条委員会)は20日、移転を決めた当時の知事だった石原慎太郎氏(84)を証人喚問した。東京ガスとの土地売買契約について合意直前に報告したとする元中央卸売市場長の証言について「記憶にないものはない」と発言。3日の会見に続き、新事実のないゼロ回答となった。再度の証人喚問を求める声が出る中、石原都政下で移転を推進してきた都議会自民党の対応にも注目が集まる。

 18日から3日連続で行われた百条委のヤマ場となった石原氏の喚問。体調不良を理由に予定の所要時間が3時間から1時間に短縮され、答弁時間を確保するため座ったまま質疑応答という異例の方式で2人の主治医と弁護士も同席した。首筋には湿布のようなものが貼られていた。

 冒頭で「2年ほど前に脳梗塞を患い、いまだに後遺症に悩んでいる。患部に近い海馬という記憶を埋蔵しているところがうまく開かない。残念ながら全ての字も忘れ、ひらがなさえも忘れた」と前置きして始まった。

 「移転を決裁した責任は認める」としたが、築地市場の移転先選定について「都庁全体の流れで、豊洲に移転することが決定した。逆らいようもなかった」と証言。従来通り、用地交渉は部下任せの主張を繰り返した。部下からの報告の有無を重ねて問われると「だから何なんですか。記憶にないものはない!」と居直った。3日の会見より言葉に詰まる場面は少なく、余裕さえ漂わせた。虚偽の証言をしたりすると禁錮や罰金が科される百条委だけに、答弁を練ってきたとみられ、机にはメモが置かれていた。

 小池百合子都知事については「科学者が豊洲は安全と言うのに、なぜ移転しないのか。不作為の責任が問われるべきだ」と改めて批判。「安全・安心の問題は文明論だ。一方に科学があり、一方に人間の心がある。2つの要素の相克がある限りこの問題は終わらない」と持論を展開。豊洲早期移転を主張し、基準超えの有害物質が出た地下水対策については「汚染水をろ過してポンプアウトして海に捨てればいい」と石原節をさく裂させた。

 この日午前中に自宅を出発する時には報道陣に向けて「天気晴朗なれど波高し。君ら教養ないから分かんないだろう」とニンマリ。日露戦争当時、連合艦隊司令長官の東郷平八郎の参謀で、司馬遼太郎氏の小説「坂の上の雲」の主人公として有名な秋山真之が、日本海海戦直前に「本日天気晴朗ナレドモ波高シ」と打電して世界最強のバルチック艦隊撃破につなげた言葉を用いた。

 69分間の喚問で新たな事実は引き出せなかった百条委。当初から「選挙に向けたパフォーマンス」(都庁幹部)と見る向きも多く、ある都議は「ばたばたの状態で臨んでしまった」と準備不足を認めた。再度、石原氏の喚問を求める声も上がるが、自民をはじめ追及する都議会の真価も問われそうだ。

 ▼慶応大教授(地方自治論)・片山善博氏 本来は豊洲移転の予算を認める際など手順を踏む段階で、都議会がきちんと検証すべき問題で、今になって百条委を開いても遅すぎる。都政を掌握していなかった石原氏を見逃してきた都議会がまず自問し、反省すべきだ。

[ 2017年3月21日 05:30 ]

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