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まっしぐら猫専門獣医 好きだから無休へっちゃら

“猫のための病院”と分かる入り口
Photo By スポニチ

 犬と猫は仲が悪い。自分の飼っている猫が病気になったとき、動物病院に犬がいたら、ただでさえ弱っている猫はさらにおびえてしまうだろう。そんな飼い主の不安を解消する「猫専門病院」が注目されている。他の動物には目もくれず、猫にだけ的を絞ったスペシャリスト、猫専門獣医を取材した。

 東京都港区の住宅街に猫専門病院「Tokyo Cat Specialists」がある。入り口の扉を開けると、もう一つ扉があり、二重扉になっている。猫が逃げた時のための工夫だ。

 診察室に入ると、山本宗伸(年齢非公表)は茶色い毛の猫の腹部に聴診器を当てていた。体重計に乗せ、数値を記録。基本的に全ての猫に身体検査を行い、どのような処置が必要か判断していく。診察室は、1・8メートル×1・5メートルほどと狭い。「広い空間に放り出されると猫はストレスを感じる。なので、可能な限り小さくしました」と語る。

 2016年8月にオープン。それ以来、毎日午前10時から午後8時まで、1人で診察を行っている。一日も休んでいない。「猫のことを考える時間が楽しいので、しんどいとは思っていません」と笑顔を見せた。

 院内には猫のための工夫を随所に施した。待合室にはイスごとに仕切り。「知らない猫と合うとびっくりしてしまう子もいる」。猫同士が顔を合わせなくて済むためのものだ。外の車の音などで驚かないように防音設備も完備。「猫のことだけを考えてつくれるのは強みですね」と話した。

 猫との出合いは10歳の時。拾った猫を飼い始めた。「マイペースなところや、シャイなところが自分と似ているなと思って、すぐに夢中になった」。これまでに全部で10匹飼ったという。

 中学生になって、猫の医者を志すようになった。「動物病院に連れて行くと、先生によって猫好きな人とそうでない人がいた。猫のことをよく分かっている人に診てもらいたいと思った時に、自分がなろうと思った」という。

 日本大学生物資源科学部獣医学科を卒業後、東京都江戸川区の猫専門病院に4年間勤めた。その後は「獣医学の進んでいる国の実情を見たかった」と、米ニューヨークの中心地マンハッタンの猫専門病院で1年間研修した。マンハッタンだけで3軒の猫専門病院があり、米国では動物ごとに医療の分業が進んでいることを知った。「日本の獣医学の発展にも専門化が必要だと思った」と、帰国後の16年2月、自身の病院の開業に着手した。

 スタッフはみんな、猫を飼っている。「全員猫好きのほうが、飼い主さんも安心して来られる」。採用面接では必ず、どれだけ猫のことが好きかを聞いている。

 猫だけの病院で経営は成り立つのだろうか。「昔は動物を飼うという感覚でしたが、今は動物と暮らすという方が多い。猫を大事に思えば思うほど、専門病院の方が需要はある。実際、遠方から通ってくださる方もいらっしゃいます」と答えた。

 来院する飼い主の多くは、ワクチンや去勢手術の相談に来る。飼い始めたばかりが最も不安だという人が多いのだという。「10年、20年前は外で放し飼いにされていたことを思えば、猫を大切にする人が本当に増えたなあとうれしく思っています」と笑った。

 「ウサギ専門の医者がいると、ウサギを安心して飼うことができる。ペットとして飼うハードルが下がるので、いろんな専門医がいていいと思います」と語った。日本でも動物医療が分業化していくことを期待している。

 山本は、猫について本当に楽しそうに話す。診察終了後も約2時間、猫の最先端医療について勉強する毎日。最近ではドイツで発売された猫用インスリンについて調べているという。年末年始も休みなしには驚くが、猫を心から愛しているからこそモチベーションも高いのだろう。猫が人生のパートナーという人も多い昨今、山本のような“猫医師”は心強い存在だ。 =敬称略=

 《全国に10軒程度》「Tokyo Cat Specialists」は完全予約制。「猫の待ち時間が長くならないように」という配慮からだ。飼い主の家まで足を運ぶ往診にも力を入れている。「家から出たがらない子もいる」と話す。猫専門病院は都内では江東区に「東京猫医療センター」、江戸川区に「シュシュキャットクリニック」がある。他に埼玉県、愛知県、大阪府、京都府などに病院があるが「全国で10軒くらいだと思います」という。

[ 2017年3月13日 05:30 ]

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