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久保九段先勝 郷田王将を追い込んだ“鬼手”9五角 王将戦

初戦に勝ち、会場の掛川城二の丸茶室で心を静める久保九段
Photo By スポニチ

 挑戦者・久保利明九段(41)が郷田真隆王将(45)を86手で下し、先勝した。2日目は開始早々から厳しい展開を強いられながら粘り強く対応。複雑かつ難解な終盤では王将の意表を突く好手を放ち、勝利を呼び込んだ。第2局は23、24の両日、兵庫県尼崎市の都ホテルニューアルカイックで行われる。

 精も根も尽き果てた感覚はほとんどなかった。「最後まで全然分からなくて…」「ちょっとやってみないと分からなくて…」「困った場面がいっぱいありすぎて…」。終局後のインタビューで威勢のいいコメントが全くなかった久保だったが、その口調にはどこか余力があった。

 3連覇を狙う王者を持ち時間残り2分まで追い込み仕留めた主因は64手目の[後]9五角。金銀3枚に守られた相手王をどう寄せるか注目の場面で、上段脱出を防ぐ効果的な一手だ。控室で検討していた正立会人の神谷広志八段(55)は候補にすら挙げず、郷田も「あの角打ちが厳しかった」と明かすほどの鬼手。この後は粘る王将を丁寧かつ執拗(しつよう)に寄せ切った。終局間際には反撃を受ける可能性も残されていながら、最後は郷田の戦意を喪失させた。

 9日は昼食休憩前後に千日手模様になっていた。後手番の久保にとってそれを選択すれば無勝負で対局がいったん終了し、今度は先手番で指し直すことが可能になる。優位に立っていたわけではない久保にとっては決して悪くない「誘惑」だ。だが56手目に16分考えてから[後]4四角と果敢に打開を図る。「千日手は考えなかった」という男気。実はその直後にも千日手の可能性があったというが、これもさりげなく避けている。甘い誘いに乗ることがない勇気も白星を呼んだ。

 トップ棋士としては少数派の振り飛車党。コンピューター解析では居飛車戦法に比べ明らかに不利という研究結果もあるなかで、孤高を貫く姿に共感を覚えるファンは多い。今回の7番勝負も全局で飛車を振る意向を持っている。

 「一戦一戦の積み重ね。しっかり準備したい」と言う第2局は、兵庫県加古川市出身の久保にとっては待望のホームゲーム。いい流れだ。

 ≪初の対局者宿泊“安眠保証”徹底≫掛川での王将戦開催は8年連続ながら、対局者が「掛川グランドホテル」に宿泊したのは初めて。昨年10月に利用することが決まった後、上田武・総支配人をトップとしたプロジェクトチームを結成。郷田、久保が宿泊したフロアには、睡眠の妨げにならないよう、他客の予約を入れない徹底ぶり。また両対局者が対局中に食べたデザートや料理は、ホテル内のレストランのもの。“王将戦”の味を楽しみたい方はぜひ。

[ 2017年1月10日 05:30 ]

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