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小劇場で演劇を鑑賞するのって、少しは興味あるけれども、なんだかハードルの高さを感じてしまう…。そんな30~40代男性も多いことだろう。いわゆるアングラ演劇が隆盛を極めた1970年代に、血気盛んな頃を過ごしてきた団塊世代ならまだしも、80年代以降に青春を過ごしてきた我々にとっては、なんとなく劇団や舞台芸術といった言葉が少しだけ遠くにあるような気がしてならないのは筆者だけであろうか。

「舞台に限らず、日本人には"興行"を観に行くという文化が浸透していないのでは?」と指摘するのは、数々の舞台や映画、TVドラマで活躍中の俳優・田村幸士さん。スキーヤーの皆川賢太郎氏と交流するなど、世界のスポーツ事情に造詣の深い田村さんは、スポーツ観戦を例にとって説明する。

「欧米の学校の体育館には観客席があるけれども日本にはありません。欧米ではスポーツそのものがエンターテインメントとなっているのですが、一方の日本ではスポーツ=体育は教育の一環として認知されています」

成り立ち自体が違っているから、本来の意味でのスポーツを楽しむという習慣が定着していない。同様のことが舞台にもいえるという。

「学校で観劇会を実施するのは大変すばらしいことですが、自分が見たい演目を選べるわけでなく、どうしても教育的な要素が強くなってしまいがちなので、"固い"イメージを持ってしまう。それが舞台に対して抱くハードルの高さの根本的な要因なのではと思います」

さらに言えば、演劇と出会う接点も少なくなっているのも問題だという。

「"ぴあ"が廃刊になったのは非常に残念でした。あの一冊の中には映画も舞台も含め、あらゆるエンターテインメント情報が網羅されていました。ページをめくるたびに新しい出会いもありましたが…。WEBサイトから演劇情報を得ようとすると、どうしても好きな俳優、有名な演目など、ある一定の目的を持って検索しなければ見つけることができず、そこには偶然から生まれる新しい出会いというものがありません」

その一方で、"小劇場が足らない"状況になるほど、演じたい、作りたい、発信したいと考える演劇人たちが増えている。若手はもちろん、ベテランの俳優たちにとっても、その小さな舞台は特別な場になっているという。

「役者として鍛錬できる場所なんです。エネルギー溢れる若手と一緒に舞台に立つのは刺激的ですし、諸先輩方の演技を間近で見ることができ、何度も稽古を重ね、さらに公演中も何度も演じることで、役作りも深まっていきます。しかも、観客の反応が間近に、リアルに感じられるわけですからね。すぐに自分の技量がわかるし、だからこそ成長の糧になります」

「約2時間、非日常の世界へ飛び込み一緒に作品を創っていただければ幸いです」という田村幸士さん。

もちろん、舞台は役者たちに"ならでは"の喜びをもたらせてもくれる。

「舞台に立っている以上、例え台詞がなくても、一時も気が抜けません。話す人がズームアップされるTVや映画と違い、観客全員の目が主軸だけに集まるのではなく、必ず観客の中の誰かが、舞台に立ついずれかの役者の一挙手一投足、あるいは立ち姿を見ていてくださるのは大変嬉しいことです。また、時系列に関係なく、シーンごとに撮影を進めていく映像と違い、舞台では物語の最初から最後まで役として生き、そして成長できる。これも舞台ならではの醍醐味といえますね」

そして、なによりも映像では味わうことのできない最大の魅力が、観客との一体感なのだという。

「舞台に立っていると、観客の感情の動きをリアルに感じることができます。幕が上がった直後は、舞台に立つ側も舞台の向こうにいる観客も少し相容れないというか、互いに緊張しているような空気があります。それがどこかのタイミングで両者が交じり合う…。そんな動きが手に取るように感じられるから面白い。そして最後は一体となり、カーテンコールの時にお互いを称えあう。その瞬間がたまらなく嬉しくて、私はいつも涙ぐんでしまいます」

その一体感は役者だけが味わえる特権ではない。舞台を鑑賞する我々観客サイドにとっても大きな醍醐味になっているという。しかも、それは映画でもTVドラマでもなく、舞台でしか味わえない感覚だ。

「舞台には何人かの役者が登場し、それぞれの役柄の人間性を表現するわけですよね。その中の誰か一人に、自分の感情やこれまでの人生が重なるキャラクターを見つけることができたら、ずっとその登場人物を追って観るのです。個性的な10人の登場人物がいれば、そこに必ず自分の性格や価値観にフィットする役柄を見つけることができるはず。すると、自分という人間を投影した役者が舞台上で感情を代弁してくれる。心の声を叫び、時には泣いたり、怒ったり、もしかしたら、自分が言いたいこと、不満に思っていることを言葉に置き換えて、舞台上で叫んでくれるかもしれません。そこに舞台鑑賞の快楽があるというお客様もいらっしゃいます。必ずしもストーリー上の主人公とあなたにとっての主人公が同じとは限らないのです」

そういった意味で、今回、田村幸士さんが出演する『アメミット』は、そんな舞台の魅力がぎっしり詰まった作品になっているのだとか。"小劇団鑑賞ビギナー"にとっては最適な内容になっているのは間違いないという。

「旗揚げから20年を迎える劇団BLUESTAXI作品の中でも、ひときわ人気の高かった作品をリメイク。ファンの声にこたえるかたちで再演が決定した『アメミット』に出演させていただきます。この作品の舞台となるのは冥界の裁判所。主演の冨家規政さん演じる被告人と女検事と弁護士、そして6人の裁判員が織りなす人間模様が見どころとなっています。人間の魂や命といった重いテーマを扱いながら、笑いあり涙ありの上質なエンターテインメントに仕上がっているため、はじめて舞台を見るというビギナーの方に最適な作品と言えます」

自分の性格や生き方が投影できるキャラ、あるいはイラッとする役柄も登場するかもしれない。そうなれば、観客それぞれに目が行くところ、鑑賞するポイントが変わってくる。

「見どころを与えられる映像と違って、観客は能動的に、自分が見たい場所を自由に見つけて楽しむことができます。そうなると作品の持ち帰り方もそれぞれに変わってくる。ひとつの決まった正解がないから、いつまでも余韻を楽しむことができます。舞台は観客の想像力と一緒に作るものだと私は考えています。リアルタイムで同じ空間にいるという一体感は特別なものです。舞台は人と人を繋ぐコミュニケーションの一種ですから、人と人との間に何も介さないほうがストレートに伝わるのです」

田村幸士さん出演の『アメミット』は、舞台の愉しみを知る良いきっかけになるかもしれない。

劇団BLUESTAXI 第28回公演「アメミット」
作・演出 青田ひでき(劇団BLUESTAXI)

◎キャスト◎

冨家規政(A.L.C.Atlantis)

ちすん(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
犬山ヴィーノ(株式会社玉井企画)
三村晃弘(シーズ・マネージメント株式会社)
田村幸士(GCP TOKYO株式会社)

竹田愛里
加藤優香

祭美和(マリエ・エンタープライズ株式会社)
岡野大生(イマジネイション)
鈴木絵里加(DruCi)
古澤義寛(劇団PU-PU-JUICE)

谷口優衣(マリエ・エンタープライズ株式会社)
藤田真澄(トライストーン・アクティングラボ)
小玉祐毅(トライストーン・アクティングラボ)
浦野徳之(トライストーン・アクティングラボ)

笠井渚(劇団BLUESTAXI)
矢吹凛(劇団BLUESTAXI)

◎タイムテーブル◎
2017年6月6日(火)~6月11日(日)

6日(火) 19時 Aキャスト
7日(水) 19時 Bキャスト
8日(木) 19時 Aキャスト
9日(金) 14時 Aキャスト/19時 Bキャスト
10日(土) 14時 Bキャスト/18時 Aキャスト
11日(日) 14時 Bキャスト

★Aキャスト 谷口優衣・小玉祐毅
★Bキャスト 浦野徳之・藤田真澄

※受付開始、開場は開演の40分前です。
※未就学児童のご入場はお断りしております。

◎劇場◎
中野 ザ・ポケット
東京都中野区3-22-8
(JR中央・総武線/東京メトロ東西線 中野南口より徒歩約10分。
※駐車設備はありません。車、バイクでのご来場はご遠慮下さい)

◎チケット◎
前売り(日時指定・自由席)/4,200円
当日/4,500円

 

◎ご予約方法◎
前売り券のご予約はこちらから↓
https://www.quartet-online.net/ticket/bluestaxiamemit?m=0fajjfe
■取材協力
田村幸士(GCP TOKYO)
http://gcp-lab.net/koji/

劇団BLUESTAXI
https://www.bluestaxi.net/

■取材協力

田村幸士(GCP TOKYO)
http://gcp-lab.net/koji/

劇団BLUESTAXI
https://www.bluestaxi.net/

プロフィール 【伊藤秋廣(A.I.Production)】
年間300人超の実績。ビジネスパーソンからドクター、アスリート、文化人、タ レントまで幅広く対応するプロ・インタビュアー。対話の中から相手 の“哲学” を引き出す力に定評あり。ライティング専門プロダクション 「A.I.Production」を運営する。
http://www.a-i-production.com/

 

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