サブカテゴリー

ホビー&ライフ リカー&グルメ ファッション チャレンジライフ

なんだかんだいっても、やっぱり女性はイタリアンが好きだ。それは、80年代バブル期に到来した"イタリアン黎明期"から、ずっと変わることなく存在し続ける傾向であり、相変わらず、イタリアンはデートネタの鉄板だったりする。いや、すくなくとも多くの男性はそう信じている。
とはいえ、週に何度も街の素敵なレストランに彼女を連れていくだけでは、あまりにも芸がなさすぎるし、お金だって続かない。今どきは、男性だって女性を手料理でもてなして、その価値をアピールする時代だ。自宅でこじゃれたイタ飯を用意することができればよいのだが、ありがちなペペロンチーノやカルボナーラでは、彼女の顔に"ああ、なるほど"って冷ややかな表情が浮かびそう。
「イタリアの家庭料理であれば、男性でも手軽に用意することができます。とてもオシャレで達人っぽい演出ができますから、とても女子ウケが良いですよ」というのはイタリア料理研究家の板倉布左子さん。一昨年までの10年間に渡るイタリア生活の経験を活かし、現在のイタリア人が好んで食べる家庭の味を、日本でも簡単に手に入る食材を使って教える料理教室「effe-co. (エッフェ・コー)」を展開している。現在のイタリア人が好む味とは一体どんなもので、そもそも家庭料理事情ってどんな感じなのだろう?
「以前は、マンマ(母親)が家庭を守っていて、昼も夜もしっかりフルコースを用意。昼休みも2時間くらいとるような習慣がありましたが、時代も移り変わって核家族化も進み、さすがに今どき、そんなにゆっくりランチを楽しむ余裕もなくなりました。それでも、あまり残業などしないので時間的な余裕はありますし、そもそもイタリアにはコンビニやスーパーでお惣菜が売られているような文化もないので、必然的に自分たちで料理をして、楽しむという習慣が定着しています」
しかもイタリアはカップルの国。一人暮らしをする大人は少なく、事実婚を含め、男女で生活を共にするのがポピュラーなのだとか。専業主婦はおらず共働きとなるため、これまた必然的に男性がキッチンに立つ機会も多くなるという。そうなるとやはり、"男の手料理"ではないが、毎日、簡単にパスタでもゆでて食べたりしているのだろうか?
「実は、現代のイタリア人は一日に一回、パスタを食べるかどうか、下手すれば、数日、パスタを食べない家庭もあったりします。パスタの消費量も減り続ける一方ですね。彼らが食べているのは、野菜やお肉を焼いて用意するおかずと、日本の白いご飯に相当するパンや、グリッシーニというスティック状のスナック。しかもおかずの調理法はシンプルで、オリーブオイルと塩だけで味付けするのが主流になっています」
さらに、日本と同様に四季があるため、旬の美味しい食材が市場に出回る。その素材の味を生かした食材の組み合わせとシンプルな調理、それがイタリア家庭料理の真髄なのだという。
「みりんが大さじ1杯、お酒が小さじで1杯、火加減は…みたいな調理テクニックが求められないイタリア家庭料理は、まさに男性が用意するのに最適なメニューだと思うのです」

そんな板倉さんに、早速、旬の素材を生かして、なおかつ女性ウケしそうなレシピを伝授していただくことにしよう。
「今回、お勧めするのが、これから秋に旬を迎えるカボチャを使ったパスタです。カボチャといっても、日本でおなじみの南京カボチャではなく、バターナッツカボチャという、ヒョウタンのような形をしたものを使用します。日本のスーパーでも売られていますし、リーズナブルで日持ちがする。調理時間が短いという特徴があります」
オリーブオイルとローズマリーで軽く炒めた玉ねぎの中に、キューブ状、あるいは千切りにしたバターナッツカボチャを投入し、炒めるだけ!そしてパスタとリコッタチーズを加え、最後に塩で味を調整するというだけの非常に簡単なものだ。シンプルな料理だけれども、しっかり秋という季節感を感じさせ、なおかつ本格的なイタリアンの家庭の味に仕上がるのだという。
「お好きな方は、最初に包丁でつぶしたガーリックを加え、香りが立った時点で取り出してください。とても男性好みの味になります」
リコッタチーズが手に入らない場合は、カッテージチーズで代用。(もちろんクリーミーさはかわってきますが。)皿に盛りつけた後でパスタの上に散らせば、ちょっとおしゃれな雰囲気になるのだとか。
「日本人は傾向的に、パスタとピザを作るときに、どうしてもたくさんの食材を入れようとしてしまいがち。それぞれの食材の味の特徴を生かしてバランスよく配することで、とても上品な味に仕上がります」

「上質なオリーブオイルと塩がご家庭にありさえすれば、あなたも立派なイタリアンシェフ」と語る板倉布左子さん。教室では、イタリア男のどこがモテポイントなのか、などという楽しい話も聞けるという。

板倉さんが主宰する料理教室「effe-co. (エッフェ・コー)」で料理を学ぶ男性は、生徒全体の2割。女性が中心で、しかも"本場イタリアン"と聞くとハードルが高いように思われがちだが、むしろその逆なのだという。
「ニンジンをどう細かく切るか?ではなく、これとこれをアバウトでいいから組み合わせたら、こういうイタリアンができると伝えているので、ある意味、男性的な料理ともいえます。ここでは、テクニックではなく、基本的な味覚をお伝えしているのですね」
ハーブやオリーブオイル、塩の使い方、そして調味料と食材の組み合わせを感覚的に身に着けることで、様々な料理に応用ができるという。その基本が身につくと、ちょっぴり気のキく、イケてる男と女性の目に映るのかもしれない。
「3時間程度のレッスンのうち、一時間ほど時間を使って、皆さんと一緒に食事と会話を楽しんでいただきます。メニューに合わせてイタリアワンに精通している酒屋さんからアドバイスをいただき、料理にぴったりなイタリアワインも取り寄せて、皆さんで楽しみます。イタリア人にとって、食事は娯楽の一部として生活の中に染みついています。できる限り家族や友人たちと一緒に楽しんで、食事の時間そのものを有意義に過ごそうと考えているのですね。私が教室で伝えたいのは、そういった、"食が人と人を繋ぐ"イタリアの温かい食文化そのものなのです」
自宅で温かいイタリアの家庭料理を用意して、ワインとともに語らいながらいただく。大切な女性と一緒に味わうには、確かにそんなイタリアの家庭料理が最適なのかもしれない。彼女を自宅に呼ぶ前に、まずは料理教室にこっそり顔を出してみたほうがよさそうだ。

■取材協力
effe-co. (エッフェ・コー)
http://effe-co.com/

■取材協力

effe-co. (エッフェ・コー)
http://effe-co.com/

 
プロフィール 【伊藤秋廣(A.I.Production)】
年間300人超の実績。ビジネスパーソンからドクター、アスリート、文化人、タ レントまで幅広く対応するプロ・インタビュアー。対話の中から相手 の“哲学” を引き出す力に定評あり。ライティング専門プロダクション 「A.I.Production」を運営する。
http://www.a-i-production.com/
 

【楽天】オススメアイテム
クイックアクセス

このページの先頭に戻る ▲