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牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしてしまうという人は案外多い。どうやら、そういった体質を持つ日本人は欧米人に比べても多く、ある調査によれば、約45%もの人が何らかの自覚を覚えるという。一説によれば、もはや遺伝子レベルの要因によるとも聞く。カルシウムをはじめとする、多くの栄養素を含む牛乳を飲みたいものの、お腹が心配というサラリーマン諸氏も数多くいることだろう。
「牛乳の中に含まれる"乳糖"と呼ばれる成分が、ラクターゼという酵素によって充分に分解されず、そのまま大腸に到達。乳糖を栄養分とする腸内のバクテリアが活発化して、水素を大量に産生することで、お腹が張ったり、ゴロゴロしたりという状態を引き起こすのです」というのは、森永製菓株式会社食品研究開発センターのマネジャーである稲垣宏之さん。お腹がゴロゴロする人は、"乳糖耐性"が低いと表現されているというのだ。
「赤ちゃんの頃には母乳を飲むので、このラクターゼを充分に産生することができるため問題ないのですが、大人になるにつれて、食生活や生活習慣によって体質が変わってしまうのです。お腹がゴロゴロするということは、腸がスピーディーに効率よく栄養を吸収できないということの表れなのです」

そんな牛乳とお腹の関係についての基礎知識を押さえつつ、実に興味深い実証試験が実施されたというので概略をお伝えしたい。
結論から言えば、なんとその試験データから、"ココアを混ぜた牛乳を飲めば、乳糖耐性が低い人であっても、お腹のゴロゴロを抑えることができる"という結果が導き出されたというのだ。これは、お腹ゴロゴロの人にとってはまさしく朗報。しかし、なぜに、そのような試験を行うことになったのか。その背景が気になる。
「弊社では以前から、ココアの健康機能に着目し、数々の研究を重ねてきました。例えば、近年ではココアに抗インフルエンザウイルス効果があることや、ピロリ菌殺菌効果があることも実証されています。また、ココアが有する冷え性改善効果も、これまで"なんとなく体が温まるね"と感覚的に捉えられていたものが、しっかりとした試験データの解析によって、その根拠が明らかになりました。私たちは常に、医療の最前線で活躍する医師や研究者の方々と共に、ココアの可能性を探り、消費者の皆様に情報をお届けしています」
そのような動きの中で、救命救急を専門とする医師から、新たなココア研究のアイデアが持ち上がったのだとか。
「元々、救命現場において、チョコレートやココアが患者様に対してベネフィットがあるということは、経験的にも科学的にも理解されていました。そのため、私たちとの間で常に、活発な意見交換がなされてきました。近年、体内で発生する水素が、ダメージを受けた身体の中で生じる酸化ストレスを軽減するという学説があり、水素が体内で作り出されたならば、救急医療のみならず、日常生活の中における体内ストレスの軽減につながるのではと考えていました」
牛乳を飲むと腸内で大量の水素が発生するということは、飲んだのちに測定した呼気の中に水素が多く含まるという試験結果からも明らか。
「そもそも水素は大腸内のバクテリアが活発に活動することで発生するわけですし、ココアには食物繊維やポリフェノールなどが多く含まれているのですから、直接、大腸に届いて発酵すれば、水素の体内産生の一助になるかもしれない。しかも、ココアと牛乳は相性が良いので、一緒に飲むことで何らかのメリットが生まれるに違いない。そんな仮説を立てて、医師の協力を得て実証試験に臨みました」

「これからもココアの可能性を探りながら、皆様に正しい情報をお伝えしてまいります」と語る森永製菓株式会社食品研究開発センターのマネジャー・稲垣宏之さん。

21歳から49歳の男女を対象に、試験飲料飲用後の呼気水素濃度の変動を測定。水、水+ココア、牛乳、牛乳+ココアの4種をそれぞれ飲用してもらい、順序効果がないよう無作為に割り付けたり、測定日の間隔を十分に開けるなど試験精度を上げるための条件に注意しながら、数週間にわたって試験を続けたという。さらに一定傾向をつかんだのち、乳糖耐性の高い人、低い人に分けて、詳細試験を続けていたったのだとか。
「その結果、乳糖耐性の高い人は牛乳を飲んでも呼気の水素増加率が低く、酸化ストレスの軽減、すなわち、抗酸化のメリットが享受できないのですが、そこにココアを混ぜると、牛乳だけを飲んだ時に比べて効率よく水素が産生されることがわかりました。しかも濃度は10ppm程度なので、お腹がゴロゴロするほどの水素産生には至っていません。一方、乳糖耐性の低い方は、ココアを混ぜることで水素産生が抑えられる。すなわち牛乳を飲んでお腹がゴロゴロする人は、ココアを混ぜることで、その症状を適度に抑えられるということがわかったのです」
試験結果をまとめると、要するにココアには、ひたすら水素を増やすのではなく、調節する能力があることが、新たに発見されたというのだ。私たちが子どものころから愛飲している、"なじみの飲み物"であるにも関わらず、こうして次々と新たな健康機能が発見されるというのが大変興味深い。
「現在も研究を進めていますが、まだまだココアには可能性はあると思っていますし、間もなく皆さんにお知らせできるような研究成果も出ています。こういった健康機能に関する効果を消費者の皆様に発信し続けることで、ココア購入のきっかけを作っていくことができればと思っています」
確かに、試験データによる裏打ちがあれば、私たち消費者も正しい商品選びが可能になる。
「ココアという、実際にお客様にお届けしている製品を対象に、作用を科学的に解明していくことは極めて重要です。正しい情報を発信していくことで企業の信頼性、商品の信頼性を高め、そして食の安心安全につながっていく、それが私たち研究部門の役割だと自覚しています」
科学的に証明されているココアの効果。"お腹ゴロゴロ対策"のみならず、体内の酸化予防にもキくのであれば、私たちオジサン世代としても、見過ごすわけにはいくまい。

■取材協力
森永製菓株式会社
http://www.morinaga.co.jp/

■取材協力

森永製菓株式会社
http://www.morinaga.co.jp/

 
プロフィール 【伊藤秋廣(A.I.Production)】
年間300人超の実績。ビジネスパーソンからドクター、アスリート、文化人、タ レントまで幅広く対応するプロ・インタビュアー。対話の中から相手 の“哲学” を引き出す力に定評あり。ライティング専門プロダクション 「A.I.Production」を運営する。
http://www.a-i-production.com/
 

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