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バルサ、歴史に残る試合 奇跡は「待つ」ものではなく「創る」

欧州チャンピョンズリーグ決勝トーナメント1回戦第2戦   バルセロナ6-1パリSG ( 2017年3月8日    バルセロナ )

6点目を決めたバルセロナのMFセルジ・ロベルト
Photo By AP

 とんでもない事態に遭遇した際、自分の語彙の少なさに気づかされる。

 スゲー、マジかよ、なんだこりゃ、うわー、ヒャー、エーッ、おいおい……。

 ただただ言葉にならない呻き声をあげるばかり。それほどまでに衝撃的な試合だった。まったく、とんでもないものをみてしまった。マジかよ……。

 3月8日に行われたチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦第2戦、バルセロナ対パリ・サンジェルマンは、サッカーがもたらした数多の奇跡の中でもトップランクに位置するものになるだろう。いや、軽く「奇跡」という単語を使ってしまうところも語彙力の不足のなせる技か。それでも確かにひとつ言えるのは、この試合は双方のサポーターの間で永遠に語り継がれるものになるということ。一方は嬉々としてひとつひとつのゴールを子や孫へ伝え、一方は苦々しげにどれほど酷い思いを味わったかを吐き捨てる。おそらくそれらは、豊かな語彙をもって成されることだろう。

 第1戦を0−4で落としたバルセロナは、開始から猛然と攻めた。3分に早々と先制し、さらにゴールへ迫る。40分に追加点を奪い、後半開始3分でPKから3点目。望み通りの展開だったが、62分に1点を返される。

 勝負あり。誰もがそう思って間違いない場面だ。しかし諦めない。終了の笛が鳴るまで諦めない。当たり前でいてなかなかできないことを当たり前にやり遂げるのがトッププロたる所以なのか。ここからの怒涛のラッシュに、呻き声をあげるしかできなくなった。

 0−4からの逆転、2戦合計6−5というスコアには驚くしかない。改めて「奇跡」という単語を使っても咎められない気もする。しかしながら、バルセロナの試合に至る経緯からは、決して奇なることばかりではなかった事実も浮かび上がる。ルイス・エンリケ監督と選手たちは、「奇跡などではない」と言うに違いない。周到な準備があってこそ道は開かれる。そして彼らはやり遂げた。

 第1戦に大敗後、ルイス・エンリケ監督はリーガで従来の4−3−3から3−4−3へ変更して3試合をこなし、より攻撃的なマインド、イメージをチームに植え付けた。その意図を汲み取った選手たちも、ゴールを奪う度に自信を深めていく。0−4という絶望的とも思える状況にも闘志を失わなかったのは、指揮官の巧みなマネジメントと、システム変更にも即座に対応できる選手とチームの多様性があったからこそ。使い古された言い回しだが、やはり奇跡は「待つ」ものではなく「創る」ものなのだろう。

 ルイス・エンリケ監督は前日会見で語っていた。

 「相手が4点取れたのだからウチはもっと取れるはず。パリでの試合から時間は流れた。すべての面で可能性は広がっている」

 逆境をモチベーションに変える素晴らしい言葉だと思う。選手にも伝わったに違いない。言霊を操るのも指揮官の重要な才であると感じる。その語彙力が羨ましい。

 興奮のままに取り留めなく書き綴ってしまったが、何度も見返す度に様々な発見がありそうだ。歴史に残る試合には必ず何かしらの教訓がある。それを見つける作業も楽しそうだ。もっともパリ・サンジェルマンのファン、サポーターは二度と観たくないだろうが……。

 いやー、それにしてもとんでもないものを観てしまった。「マジかよー!」(山内雄二=スポーツライター)

[ 2017年3月9日 16:35 ]

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