【コラム】山内雄司

入れ替え戦復活 昇格プレーオフは撤廃すべき

 Jリーグは6月20日に行われた実行委員会で、来シーズンからJ2リーグの3位から6位クラブによる昇格プレーオフに加え、その勝者とJ1リーグ16位クラブとの間で入れ替え戦を導入する方針を固めたという。

 J1とJ2との入れ替え戦は04年から08年までの5年間に渡って行われた経緯があり、10年ぶりの復活となる。05年には甲府と柏が対戦し、甲府がホーム&アウェーの2戦合計で8−3と柏に大勝して嬉しいJ1初昇格。前年の入れ替え戦で残留を果たした柏は初のJ2降格となり涙に明け暮れた。翌06年はJ2・3位の神戸が2戦合計1−1ながらアウェーゴールルールの適用で福岡に競り勝ち、1シーズンでのJ1復帰。福岡は1シーズンでJ2に降格となっている。

 このように否が応でもドラマ性に富んだ厳しい戦いが繰り広げられる入れ替え戦は、双方のサポーターのみならず、大いに注目を集めた。レギュラーシーズンとは異なる熱い戦いはことさら歓喜と落胆が強調され、スペシャリティに満ちた試合の醍醐味を提供したと言えるだろう。

 個人的には入れ替え戦の復活は歓迎したい。2クラブずつが自動降格、自動昇格となり、1クラブずつの入れ替え戦というバランスが良い。15年、16年の悪しきチャンピオンシップよりよっぽど実りの多い変革ではないか。

 ただし、入れ替え戦を復活させるなら、昇格プレーオフは撤廃すべきというのが筆者の意見である。そもそも昇格プレーオフ自体にも反対の立場である。6位にまで昇格のチャンスを広げることでクラブや選手にモチベーションを与え、ファンやサポーターへの興味を持続させ、それが活性化につながるという意図であろうが、それには同意しかねる。シーズンを通して勝点を積み重ねてきた結果である順位は、もっと尊重されるべきだ。勝点1の差、もっと言えば1ゴールの差、それらが順位となって表れる。だからこそ、1つひとつのプレーをないがしろにしないような努力が必要で、それが選手のレベルアップ、リーグのレベルアップになる。

 3位と4位、ましてや5位や6位ではまったく成績が異なる。3位と6位は本来、同じテーブルについて昇格を争ってはいけないと考える。昇格プレーオフでは順位の上のチームにホームゲームを戦えるというアドバンテージを与えているが、そんなに勝点1や1ゴールの差は軽いものであろうか。それ以前にホーム&アウェーで対戦しないというのも納得がいかない。ホームが有利なのだから問題ない、という意見は一見頷けるものかもしれないが、ホームであるが故のプレッシャーもあるだろうし、下位のクラブはアウェーに乗り込み勝つしかないという、いわばクリアなメンタルで試合に臨むことができる。引き分けでもオッケーというのは有利なようでいて、難しい局面、メンタルを強いられるものだ。

 昇格プレーオフを2試合戦い、さらに入れ替え戦を2試合戦うというのはいくらなんでもハードすぎる。試合が増えることでリーグの日程にも少なからず影響が出るだろう。リーグのレベルアップを考えるなら、選手のコンディションこそ考えなければいけない。選手は興行のための道具ではないのだから。

 12年から開催され、昨年までの5回の昇格プレーオフでは、3位のクラブが昇格を勝ち得たことがない。逆に6位のクラブが2回昇格している。これを『下克上』と呼ぶのはいささか抵抗がある。プレーオフが盛り上がったから良し、ではなく、1年を通じた戦いにこそ焦点を当てるべきである。

 改めて私見を整理しておく。入れ替え戦は賛成である。昇格プレーオフは廃止する。今後はコロコロと変更せず、J2の優勝クラブ、2位クラブが昇格、3位が入れ替え戦というレギュレーションを固定すべきだと考える。(山内雄司=スポーツライター)

[ 2017年6月23日 05:45 ]

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