【コラム】西部謙司

浸透してきたハリル流

<日本・UAE>先制ゴールを決めた久保
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 UAEに2−0で勝利し、初戦で負けた借りを返した。今回の予選は日本、オーストラリア、サウジアラビア、UAEの実力が接近していて、僅差勝負を制するための丁寧な戦いが求められている。「自分たちのサッカー」で押し切れる状況ではなくなった。

 ハリルホジッチ監督は、アルジェリアをベスト16に導いたときに、メンバーを戦術も修正しながら勝ち抜いている。フォーメーション自体は4−2−3−1に固定しているが、起用する選手によって攻守のバランス を変えていた。今回の予選ではアウェーで引き分けたオーストラリア戦は最大限守備にリソースを割いた。ホームで快勝したサウジアラビア戦は基本形に戻したが先発を変えた。そして、今回のUAE戦ではベテランの今野泰幸と川島永嗣を先発させて勝利した。

 相手と状況に合わせて変化するのがハリルホジッチ監督の得意技であり、そのときの人選、選手の見極めは定評がある。その都度、戦術が全部変わるわけではなく微修正とはいえ、変化するのが現在の「自分たちのサッカー」だ。その変化に選手たちも慣れてきたのではないか。

 今野のインサイドハーフはガンバ大阪で今季から始めた起用法である。もし、長谷部誠が負傷離脱していなければ、ひょっとしたらフランクフルトでのリベロ的な役 割も採り入れたかもしれない。

 1978年W杯でアルゼンチンを初優勝に導いたメノッティ監督は「代表はコマンド部隊」と言っていた。自分たちのサッカーを確立するのも良いが、その前に目の前の試合に合わせた作戦遂行が重要になる。とくに結果がすべての予選では、その色合いは濃くなる。アジアで圧倒的だった日本の優位性は失われたが、柔軟性は身につけつつある。格上との対戦になるW杯本大会でも生きるだろう。ただ一方で、再びアジアで周囲を圧する実力をつける努力をすることも長期的には必要になるが。(西部謙司=スポーツライター)

[ 2017年3月25日 08:00 ]

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