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横浜 節目のチャンピオン

優勝に歓喜のポーズを見せる(前列左から)小林、中村、榎本、ドゥトラ、栗原、兵藤、富沢、中沢ら横浜イレブン
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 元日の天皇杯決勝で横浜F・マリノスが2-0でリーグ王者のサンフレッチェ広島に勝って、前身の日産自動車時代の93年元日以来21大会ぶり7度目の優勝を飾った。OBとしてもうれしかったし、横浜にも大きな優勝だったと思う。

 横浜はリーグ戦であと1勝というところまで来ながら2連敗し、広島に逆転されて2位に終わっただけに、タイトルに書ける意気込みは強かった。中村が「すぐに目標があって良かった」といっていたとおり、ガッカリしているひまはなかった。そして、1年間を通していいサッカーを続けていたので、「マリノスのサッカー」を貫いて優勝したことは素晴らしかった。

 じっさい、試合も広島が準決勝でFC東京と120分間戦ったこともあって、フィジカル的にも厳しく、相手を気にしすぎて消極的だった。逆に横浜は前半17分といい時間に先制したことで、その後は横浜ペースで試合を進めることができた。そして、大きかったのは21分の中沢の2点目。中村のCKから中町のシュートを相手GKがセーブしたボールを中沢が頭で押し込んだ。広島にしてみれば、1点はいろいろなことで取られることはあるが、たてつづけに失点するのが一番良くない。一番注意しなければいけなかったところで、ゲームプランが狂った。リーグ戦優勝チームとしてはまさかの2失点で、結果的には2点目が致命傷。横浜にしてみれば中村のキックの精度と1人だけ反応していた中沢の読みの良さ。それだけ勝ちたい気持ちが上回ったと言ってもいいだろう。

 それと、横浜には運もあった。準々決勝では柏ではなく大分、準決勝でも川崎Fではなく、鳥栖と「来たらいやだな」というチームが負けて、対戦しやすいチームが勝ち上がってきた。一発勝負のトーナメントはジャイアントキリングが面白さだが、ベスト4に残ったチームは今季横浜がリーグ戦で負けていないチームばかりで自信を持って戦えた。もちろん選手が頑張ったのが一番で、リーグ戦で勝利に大きく貢献したマルキーニョスが欠場したが、藤田や端戸がその分を完璧に埋めた。

 21年ぶりというのは、「そんなに勝っていなかったかな」というのが実感。でも、優勝回数は歴代最多だし、広島は前身の東洋工業、マツダ時代を含めて決勝戦は3度優勝した後は8連敗ということを考えればどれだけ優勝がたいへんかわかってもらえるだろう。やはり、元日の決勝戦は特別なピッチで、頂点を極めてそこから見る景色を知ると、もう一度登りたくなる。私はそういう景色の味わい方を知ったので、毎年「とにかくあの舞台に行きたい」と、モチベーションが高まった。サッカーがあまり人気のなかった日本リーグ時代でも元日の天皇杯決勝戦だけは注目されていたし、お陰で今回以外の6度の優勝すべてでピッチにたった。後輩たちにもぜひ、そういう気持ちを味わってほしかったので、OBとしても良かったと思う。

 あとは、この優勝をチームがどう生かすか。中村が「リーグ戦のほうがよかった」と言っていたが、このピッチに勝ち残れるのは1チームだけで、リーグ戦と同様の価値がある。そういえば、私が初優勝した84年元日はちょうど釜本さんの最後の試合。途中出場だったが、オーラがあってすごかった。そして、ヤンマー、三菱重工の全盛期から、日産自動車、読売クラブの2強時代へと歴史が変わる節目の試合だった。93年も日本リーグ時代からJリーグへ移行する時で、Jリーグ開幕戦になることが決まっていたカードだった。今回はJリーグ20年目、そして「最後の国立」と、またもや節目。節目でチャンピオンになる巡り合わせは不思議な縁を感じる。

 そして、エースが抜けても優勝できたことを今年のリーグ戦に生かしてほしい。ACLもあるし、休みも短く厳しい1年になることは間違いない。昨年はスタートダッシュに成功したことが大きかったが、今年もスタートがカギ。昔のことを知らなかった人にもアピールできて新しいサポーターも増えるはずで、この優勝をきっかけに一回り大きいマリノスになってほしい。OBとしてそう願いたい。(水沼貴史=元日本代表FW)

[ 2014年1月5日 05:30 ]

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