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【コラム】川本治

スルーパス多用の“欧州型”に吉田イズム

[ 2015年2月19日 05:30 ]

<柏・チョンブリ>勝利に沸く柏イレブンとサポーター
Photo By スポニチ

ACLプレーオフ 柏3―2チョンブリ
(2月17日 柏)
 柏の吉田新監督がどういうサッカーをやろうとしているのか、ある程度見ることができた。

 システムは4―3―3。常にボールを動かし、短いパスをつないでポゼッションを高める。そしてスルーパスを強く意識しているように感じた。縦にボールを入れてワンタッチで落としてサイドに展開する。そのパターンで何度も決定機を築いた。Jリーグではあまり見られなかった、欧州のビッグクラブがやっているような魅力的なサッカーだ。決定力不足は大きな課題だが、今後が楽しみになった。

 一方で守備面では不安を露呈した。DFラインはラインコントロールが不安定で、2列目から飛び出してくる選手をつかまえきれず、簡単にシュートを打たれていた。失点の場面はいずれも球際での寄せに甘さがあった。またアンカーの茨田は、左右のスペースに入ってきた相手選手をマークできていなかった。このあたりを修正しなければACLでもJリーグでも苦戦することになる。

 柏の良いところと悪いところがはっきりと出た試合だった。(川本治=元ジェフ市原強化部長)

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