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【コラム】川本治

お粗末2失点目 大一番で経験不足露呈

[ 2012年8月9日 06:00 ]

<男子準決勝 日本1-3メキシコ>決勝ゴールにつながるボールを奪われた扇原(左)を慰めるGK権田。奥は清武
Photo By 共同

ロンドン五輪 男子準決勝 日本1-3メキシコ
(8月7日 ウェンブリー)
 日本は2点目の失点の場面がお粗末だった。ボールをキャッチしたGK権田が中央にいた扇原に素早くパスを出したが、相手はわざとマークを空けておいて狙っていた。同点に追いつかれて相手に勢いがある状況で、権田はもっと時間をかけても良かったし、早くパスをつけるとしてもサイドに出すのがセオリー。この世代は年代別のW杯の出場権を逃してきたが、大一番で経験不足を露呈してしまった。

 故障を抱えていた永井の先発起用も裏目に出た。明らかに万全にはほど遠い状態で、本来のスピード、切れはなかった。個の能力、チーム力ともに相手の方が一枚上手だっただけに、本調子でない選手がピッチにいれば勝つのは難しい。

 3位決定戦の相手となる韓国はボランチの奇誠庸(キソンヨン)がキーマン。正確なパスでゲームを組み立てるので、自由にプレーさせないことが必要になる。日本は準々決勝まで見せていた前線からの速いプレスをもう一度徹底できれば勝機はある。世界にアジアのレベルの高さを証明するためにも、内容のある試合をして銅メダルを獲得してほしい。(元ジェフ市原強化部長)

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