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【コラム】川本治

4強への鍵は思い切ったプレー

[ 2011年7月7日 06:00 ]

ベスト8で優勝候補ドイツと対戦する女子日本代表
Photo By 共同

 すでに8強を決めていた日本と、必死で勝ちにきたイングランドとのメンタル面の差が表れた。最初の失点は最終ラインの裏へ通されたパス1本が発端で、2点目はクロスをダイレクトに入れられてゴール前のマークが甘くなったことが原因。他にピンチはなく、気の緩みによりリスクマネジメントがうまくできなかったことが問題だった。

 攻撃面ではパスはつないでいたが、相手陣内に入ってからのミスが多かった。中途半端なパスを出したり、中途半端に勝負したりすることでチャンスをつぶした。沢がほとんど前線に出てこなかったのも原因。イングランドのスミスを封じるためだったが、もっと攻撃に絡んでもよかった。

 ドイツはイングランドよりも力は上。準々決勝では守備の時間が増えるのは間違いない。2失点した守備は集中することで修正できる。パワーで負ける場面も予想されるが、しっかりカバリングをしていれば問題はない。攻撃の回数は減るが、少ないチャンスをものにするため、イングランド戦より思い切ったプレーをしてほしい。あとは沢がどれだけ中盤でバランスをとった上で、前線に顔を出せるか。1人で局面を打開できる岩渕を、もっと長い時間プレーさせてもいい。(元ジェフ市原強化部長)

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