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【コラム】海外通信員

サンロレンソが世界クラブW杯で歴史を刻む!!

[ 2014年12月25日 05:30 ]

決勝ゴールを決めたマトス(26)を祝福するサンロレンソイレブン(AP)
Photo By AP

 アルゼンチンの5大チームの1つサンロレンソが、12月20日までモロッコで開催された世界クラブW杯に南米代表として初出場した。赤と青の縦じまのユニフォームのサンロレンソは、ボカ、リーベル、インデペンディエンテ、ラシンと並ぶアルゼンチンの5大チームの一つで、現在のローマ法王フランシスコ法王(アルゼンチン人)もこのチームの大ファンで、子供のころから現在までクラブ会員だったことで知られている。

 日本でも88年に全日空入りし、横浜フリューゲルスでもプレーし、「モネールダンス」で知られたモネールが所属していたチーム。横浜マリノスでプレーしたアコスタ、ゴロシートもこのクラブ出身だ。

 1908年に創立し、100年以上の歴史を持っているが、今年のリベルタドーレス杯(南米クラブ選手権)で初優勝し、南米チャンピオンになった。飛び抜けたスター選手はいないが、バウサ監督が地味だが強いチームにまとめ上げた。バウサ監督は2006年にエクアドルのリーガを南米チャンピオンにし、その名を世界に広めた監督でもある。

 決勝戦には12000人のサンロレンソファンがモロッコまで駆けつけたが、結果は0―2で敗戦。レアル・マドリードとの差は歴然としていた。1タッチ、2タッチでつなぎ、プレッシャーも早く、組織力のあるヨーロッパのサッカーに対し、以前よりは早くつなぐようになったものの、一瞬の早さ、判断力は及ばなかった。試合後バウサ監督は「予想以上に難しい試合だった。でも世界クラブ選手権の決勝をレアルと戦えて本当に名誉に思う。今ロッカールームで選手に1年間君たちを指揮できたことを光栄に思うと伝えた」と振り返った。主将のメルシエールも「我々がやるべきことはした。勝者もいれば敗者もいる。これがサッカーだ。ここまで来てくれた大勢のファンに感謝しなければならない」と、涙ぐんだ。

 敗れはしたが、アルゼンチンサッカーの存在感を示したことはまちがいない。(大野賢司=ブエノスアイレス通信員)

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