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【コラム】海外通信員

ガジャルド・リーベルいまだ無敗の快進撃

[ 2014年11月13日 05:30 ]

快進撃を続けるリーベルプレートのマルセロ・ガジャルド監督
Photo By AP

 リーベルは、31試合無敗という絶好調で、1922年のアマチュア時代に自ら作った無敗記録に並んだ。

 この記録は、マルセロ・ガジャルド監督が就任する前のラモン・ディアス監督(元横浜マリノス、Jリーグ初代得点王)の時代から続いているが、92年ぶりにクラブの歴史に並ぶ快挙を達成した。ディアス監督時代はアルゼンチンリーグ第12節から8試合負けなし、ガジャルドが監督就任してからは、アルゼンチンリーグ14試合負けなしで、国内リーグ戦22試合負けなしとなった。

 アルゼンチンカップ(アルゼンチン国内クラブの大会)では、2試合勝ったあと3試合目で0-0からPK戦でロサリオ・セントラルに敗北したが、試合には負けていないということで記録は続いている。現在リーべルはスド・アメリカーナカップ(優勝すれば日本のスルガバンクカップでJリーグ優勝チームと対戦する)も並行して戦っている。この大会でもすでに6試合無敗、合計31試合無敗とクラブ記録に肩を並べた。ちなみにプロ化されてからは1941~42年の29試合無敗というのが記録として残っている。

 クラブ記録に並んだベレス戦後、ガジャルド監督は「きょうの試合はとても厳しかった。アウェーで、観客も全部ベレスファンだった。(アルゼンチンリーグは暴力事件のため、規則で現在アウェーのファンは観戦できない)2大会並行して戦っているので少し疲れが見えた分、苦しんだとこともある。31試合無敗記録に関しては特別なことはない
と淡々にコメントしたが、もちろん新記録はついてくるものと思っているに違いない。

 現役時代からボールを大切につなぎ、数々のチャンスを生み出したガジャルド監督は、敵へのミスパスに対しては非常に厳しく叱る。試合の流れを変えることを恐れているのだ。それが選手に浸透し、チームが負けないのは、選手が基本を忠実に守っているからだろう。

 スド・アメリカーナカップでも、リーグ戦と同様に快進撃を続けている。すでにリーベルはベスト4まで勝ち進んでいる。準決勝はスーパークラシックとなるボカ・ジュニアーズ戦、もうひとつの準決勝はナショナルメデジン(コロンビア)対サンパウロで、こちらも各国の強豪クラブが勝ち進んでいる。

 先日のリーグ戦でリーベルはボカと1-1で引き分け。大雨のなか、ボールが水たまりで止まる最悪のグラウンド状態だった。記録継続はここからがたいへんだが、ガジャルドの手腕が注目される。(大野賢司=ブエノスアイレス通信員)

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