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【コラム】海外通信員

世界的な注目 20年目を迎えるMLS

[ 2014年9月26日 05:30 ]

9月24日シアトル戦勝利に喜ぶFCダラスのファン
Photo By AP

 北米のトップリーグであるメジャーリーグサッカー(MLS)。11月まで続くシーズンのまっただ中だが、来年は1996年のスタート以来、20年目の節目を迎えるとあって、様々な動きが明らかにされている。

 まず注目されているのが20年目を契機に行われる「MLSネクスト」と名付けられたリーグのブランドを大胆に再構築するキャンペーンだ。中でも注目はMLSクレスト(紋章)と呼ばれるリーグ・ロゴの変更。リーグの顔ともいえるもので、MLSでも1996年以来ボールを蹴るデザインは19年間使用されてきた。

 それが今回、一新されたのである。新しいMLSクレストは斜め線が入った盾形で、中にMLSの文字と3つの星があしらわれたシンプルなデザインが特徴となっている。「斜め線はサッカーのスピードとエネルギーを、星はクラブ、国、コミュニティを現している」という。青線と白、赤の3色を使ったものが基本となっているが、さらに所属全クラブのチームカラーを使ったバージョンも用意されるという他のリーグなどではあまり見ない展開もある。

 リーグ全体の動きとしては、今シーズンは19クラブで構成されているが、既に発表されているとおり来年からニューヨーク・シティFCとオーランド・シティSCが加入予定だ。さらにデビッド・ベッカムがフロリダ州マイアミにクラブ創設活動を続けており、「2020年までには24クラブまで拡大する方針」だという。

 現在15クラブがサッカー専用に建設、もしくは改築されたスタジアムを使用している。来年にはサンノゼに、再来年にオーランドで新たなスタジアムが完成する予定だ。いずれも2万人程度の人気にあった適正な大きさが特徴で、よりファンにとって快適な観戦環境がリーグ全体で整えられつつある。

 世界クラスのスター選手を獲得する動きも加速している。興味深いのはニューヨーク・シティで、まだチームがリーグに参戦していないにもかかわらず、元イングランド代表MFフランク・ランバードと元スペイン代表FWデイビッド・ビラと契約、今シーズンはレンタルに出してプレーさせている。チームが実際にスタートする前から所属選手としてアピールすることでチームの人気を高めているのだ。

 リーグの運営責任者であるコミッショナーにはドン・ガーバー氏が1999年以来就いているが、今月5年間の契約延長で合意したことが発表されている。これまでの拡大成長路線の成果がオーナー達から認められたということだ。

 このように20年目の再ブランディング・キャンペーンを含め、いよいよ活気づいているMLS。先月にはJリーグ幹部も視察に訪れている。まさに現在世界的に注目されているリーグになっているといえるだろう。(渡辺史敏=ニューヨーク通信員)

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