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レジェンド奥寺氏がメダルを期待 ブンデスリーガなど海外組が軸の東京五輪U―24日本代表

[ 2021年6月12日 08:45 ]

笑顔で練習するU―24日本代表の(右から)林、堂安、遠藤航(撮影・小海途 良幹)
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 ドイツリーグで77~86年に活躍した奥寺康彦氏(69)が今季終了を受けてオンラインで報道陣の取材に応じた。

 ケルン時代にリーグ戦とドイツ杯の2冠、欧州チャンピオンズ杯(現欧州CL)準決勝でゴールを挙げるなど大きな足跡を残し、17年に「ブンデスリーガ・レジェンド」にも選ばれた先駆者。イングランドやスペイン、イタリアなど他の欧州主要リーグと比べ、日本人が重用される理由を尋ねると「選手の献身さ。監督の指示もしっかり聞いて遂行しようとする。チームプレーを行うのがうまい」という回答とともに「でも結果を出さないと話にならないけど」という言葉が返ってきた。

 規律を重んじるドイツと日本の国民性など共通点はあるのだろうが、それも結果を出して周囲に存在を認めさせてこそ。今季もシーズン途中から輝きを取り戻して契約延長を勝ち取ったEフランクフルトの長谷部誠ら多くの日本人が存在感を示した。中でもシュツットガルトの遠藤航は1対1や球際の競り合いを示す「デュエル」の勝利数がリーグ最多の476回。ビーレフェルトの堂安律は日本人では奥寺氏以来、38季ぶりとなる全34試合出場を果たして5得点3アシストを記録するなど1部残留を支えた。

 奥寺氏は1対1に弱いという日本人のイメージを覆した遠藤の持ち味を「読みなんだよね」と指摘。「単にぶつかっていくだけでは勝てない。ここに来るなというのを察知してボールを取る。予測が早い」と続けた。堂安に関しても「速さや攻撃の技術がチームで機能していた。欠かせない選手になった。1人でも行けるし、パスもできる。中に入ってシュートもできる」と評価。「自分の良さを出している」と称えた。

 そんな2人が主力として支えるのが東京五輪に出場するU―24日本代表。奥寺氏は「開催国で地の利もあるし(日本特有の)蒸し暑さもある。最低でもベスト4。メダルを取ってほしい。可能性はある」と期待を寄せる。

 ドイツで活躍した両選手に限らず、チームの軸となるのは冨安健洋(ボローニャ)や久保建英(ヘタフェ)、吉田麻也(サンプドリア)ら海外組。外国人選手として結果を求められる厳しい環境に身を置いてきた。「海外でやっている経験がプラスされて個のレベルは上がってきた。技術も高まって戦術眼もある。フィジカルも強くなっているのは間違いない。五輪でも期待したい」と奥寺氏。そんな選手たちが東京で残す結果は…。目が離せない夏になりそうだ。(記者コラム・東 信人)

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2021年6月12日のニュース