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鹿女に朗報!鹿島が起こす「女子トイレ革命」 パウダーコーナー新設、試合の中継も見られる!

[ 2019年8月20日 18:30 ]

斬新なデザインでリニューアルされた女子トイレの個室。鹿島提供(アフター)
Photo By 提供写真

 気持ち良くビールが飲めない。なぜなら、トイレに行きたくないから。

 プライベートでスポーツ観戦をするたびに思っていた。一度トイレに行ったら、試合の流れを追えない。ハーフタイムに抜けて、試合再開に戻れないこともある。何より、暗くて不衛生なイメージ。いわゆる“公衆トイレ”が大の苦手な私は、ずっと願っていた。

 ――試合を見ながら、気兼ねなくビールをがぶ飲みできたら、どんなに気持ちいいだろうか。

 同じ理由で共感していただけるかどうかは分からないが、「鹿女」の皆さんに朗報だ。カシマスタジアムの女子トイレの一つが、この夏、美しくなって生まれ変わる。

 鹿島はオフィシャルスポンサーである株式会社LIXILと共同で、カシマスタジアム内のメインスタンド側女性トイレ(NIPPON STEELゲート付近)をリニューアルした。23日のJ1ホームG大阪戦でお披露目される。

 ビフォー・アフターの写真を見ていただきたいが、主なリニューアルポイントは5つだ。

 (1)パウダーコーナーの新設

 手を洗うスペースと分けることで洗面スペースの混雑解消を実現。LED照明付きの鏡でお化粧直しもラクラク。

 (2)個室スペースが斬新なデザインに

 配色はアントラーズカラーのレッド&ネイビー。レッドのドアは開閉が一目で分かる仕様。

 (3)「BABYROOM」の充実

 女子トイレの外に、男女問わず使える独立スペースを新設。ベッドも、立ったままおむつを交換できる着替え台も、使用済みおむつを捨てられるゴミ箱も配置。

 (4)便器を衛生陶器に

 簡単な掃除で新品のツルツルが100年続くLIXIL社の「アクアセラミック」を国内のサッカースタジアムで初導入。

 そして個人的に一番感激したのは、試合の中継映像を流すスクリーンの設置だ。入り口に配置されており、これで待っている間も試合の流れを追うことができる。

 鹿島はなぜ、女子トイレのリニューアルを行ったのか。背景には、他のクラブよりも女性サポーターが多いという理由がある。直近5年間の平均で、45%の来場者が女性。J1平均の38%よりも多い。加えて、約半数が首都圏からの来場者。遠方からの観戦なら尚更、トイレや化粧直しを必要とする女性が多くなる。

 「比率的に多い女性のお客様に何とか満足していただけないか」(鈴木秀樹取締役事業部長)という思いから、1年前からプロジェクトに着手。LIXIL社と共同で、「REST and」というコンセプトのもと、トイレに「快適」「リフレッシュ」という付加価値を加えた空間作りを実現した。

 ちなみにカシマスタジアムは来年の東京五輪のサッカー開催地。男女合わせ150個あった和式トイレを全て洋式トイレとする工事については、茨城県が開催に間に合わせるよう総額1・9億円を投じて今年度内に終わらせる見込みだ。

 ショッピングセンター、劇場、駅ナカ…様々なトイレが近年どんどんきれいにリニューアルされていく一方で、地方自治体が所有している公共の施設を使用しているサッカーのスタジアムのトイレはいまだに臭い、汚い、暗い、というイメージがつきまとう従来のトイレのままであることが多い。自治体は「付加価値」である機能充実を図るための工事に費用を捻出できない現状もある。

 今回のリニューアルは、そんなサッカースタジアムの現状に一クラブが一手を打つ試み。最多タイトルホルダーの鹿島アントラーズは、「トイレ革命」でも先陣を切る。(波多野 詩菜)

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