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川崎F 進化する王者まず1冠!カップ戦“7度目の正直”

[ 2019年2月17日 05:30 ]

富士ゼロックス・スーパー杯   川崎F1―0浦和 ( 2019年2月16日    埼玉 )

<川崎F・浦和>初のカップ戦優勝で喜ぶ川崎Fイレブン(撮影・篠原岳夫)
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 リーグ王者の川崎Fが天皇杯覇者の浦和を1―0で撃破した。後半7分に新戦力の元ブラジル代表FWレアンドロ・ダミアン(29)が豪快な左足ボレーで決勝弾。クラブにカップ戦初タイトルをもたらした。チームは走力、体力、筋力など全ての面で進化しており、22日に開幕するリーグ3連覇を含め複数タイトル獲得へ、最高のスタートを切った。

 これが黄金期の幕開けか。殊勲は名刺代わりの一発を決めた12年ロンドン五輪得点王のダミアンだ。後半7分、自らつくったチャンスのこぼれ球を強烈な左ハーフボレーで決勝弾。チームにカップ戦初タイトルをもたらした。クラブとして“7度目の正直”での初戴冠に、今季複数タイトルを目標に掲げる鬼木監督も「一発勝負に勝つとやってきた。必ずこの経験は生きてくる。今日の勝利の意味は大きい」とうなずいた。

 まさに鬼に金棒だ。地上戦では他の追随を許さないV2戦士。そこに今季は1メートル88の長身FWの高さが備わった。昨年も顕著だった相手の徹底的な川崎F対策。この日も埼玉スタジアムのピッチはパスワークを分断するために水がまかれず、芝は長く設定された。だが新生フロンターレの前には意味をなさなかった。「自分たちが使いたいスペースを埋められたら空くのは空中」と中村。狙い通りの勝利に背番号14も「空は誰も止まらない!」と、胸を張った。

 鬼木体制3年目の今季。複数タイトルへ選手はさらなる進化を遂げている。新シーズン初練習で行う恒例の体力測定YO―YOテスト(休憩を入れながら40メートル走を繰り返し、制限時間をクリアできなくなったら終了)。指揮官はハードワークなどもコンセプトに加えたことで17年は平均760メートルだった数値が、2年で走力があるチームの水準値の1200メートルと驚異的な伸びを見せた。「持久力が伸びると回復力も早い」と就任3年目の篠田フィジカルコーチ。またアップの中に筋トレを取り入れたことでジャンプ力なども格段にアップした。今合宿では就寝時に睡眠の質を計測するスマートウオッチも着用。選手のセルフケアも促進し、篠田コーチも「下地はできた」と手応えは大きい。

 「勝つことだけを求めていた」と指揮官。一発勝負の弱さも克服した川崎Fが、今季はタイトルを総ナメにする勢いだ。

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