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中国1部武漢、今度は槙野爆買い?Rシルバに続きまた浦和に照準

[ 2018年11月29日 05:30 ]

浦和の練習で激しく競り合う槙野(左)(撮影・西海健太郎)
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 来季、中国スーパーリーグ(1部)に昇格する武漢が新戦力の目玉として浦和の日本代表DF槙野智章(31)の獲得に動いていることが28日、分かった。複数の関係者が明かしたもので近日中にも正式オファーに発展する見通し。中国リーグでは来季から外国人枠4に加え、アジア人枠1が復活の見込み。昨季アジア王者の守備の要で日本代表でも活躍する槙野に白羽の矢が立った。

 世界の移籍マーケットを席巻する中国サッカーが槙野の獲得に動きだした。関係者によれば、来季スーパーリーグに昇格する武漢が水面下での動きを活発化、正式オファーの準備を進めている。GM、強化責任者を兼任する元中国代表MFの李鉄監督が、昨季ACL制覇に導き、日本代表でも活躍が続く槙野のプレーを高く評価しているという。

 正式オファーとなれば条件面も破格となりそうだ。1月には浦和からFWラファエル・シルバを電撃獲得。数億円規模の移籍金の支払いにも即、応じるなど中国では「ただの金持ち」の愛称を持つほどの資金力を誇る。槙野は16年にも広州恒大から年俸が“言い値”という破格のオファーを受けており“爆買い”補強が続く中国サッカー界では以前から注目の的だった。

 もちろん、浦和にとっても槙野は欠かせない存在だ。今季も31戦4得点。外国人FWにも負けない対人の強さは国内随一。闘争心あふれるプレースタイルはチームの顔だ。来季も契約を残すが、浦和は既に契約延長をオファー済み。クラブ側もDFの中心として最優先に考えており、慰留に全力を注ぐ方針。天皇杯次第では来季ACL出場の可能性も残す。リーグ王座奪回を目指す上でも不可欠だ。

 20日の日本代表のキルギス戦では脳振とうのため途中交代する不運も完封に貢献。来年1月のアジア杯出場も確実で、移籍が実現すれば現役代表クラスでは前例のない中国移籍となる。現在は「(天皇杯含め)残り3戦、全て決勝戦のつもりで戦う」と目の前の試合に集中している槙野。関係者によれば他の中国クラブからも獲得オファーが届く可能性があるという。ぽかぽか陽気の続く今年の冬。日本を代表するDFの周辺が熱くなってきた。

 ▽武漢 08年に中国1部の武漢光谷がリーグを脱退し消滅したことを受け、09年創設。当初3部で、10年に2部昇格。13年に初めてスーパーリーグ(1部)昇格を果たしたが、1年で降格した。監督は中国人初のプレミアリーガーでエバートンなどでプレーした李鉄氏(41)。本拠地は武漢スポーツセンター(5万4000人収容)。

 ▽中国スーパーリーグ(1部) 94年に発足したプロリーグの改編に伴い04年創設。当初12チームで現在16。ホーム&アウェーの2回戦総当たりで、19年は上位3チームがACL出場権を獲得、下位2チームが自動降格。12〜13年に元日本代表監督の岡田武史氏が杭州緑城を指揮。11年に深センでFW巻誠一郎(現J2熊本)、13年に杭州緑城でFW大黒将志(現J2栃木)がプレーした。豊富な資金力で大物外国人選手を獲得しており、ブラジル代表のMFパウリーニョ(広州恒大)、元同代表のFWフッキ、MFオスカル(上海上港)、元アルゼンチン代表のMFマスケラーノ、FWラベッシ(河北華夏)らがプレー。

 ◆槙野 智章(まきの・ともあき)1987年(昭62)5月11日生まれ、広島市出身の31歳。広島の下部組織から06年にトップチームに昇格、11年にドイツ1部ケルン移籍を経て12年から浦和へ。J1通算309戦41得点。今年2月に女優の高梨臨と結婚。W杯ロシア大会に出場するなど国際Aマッチ通算36戦4得点。1メートル82、79キロ。

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2018年11月29日のニュース