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元日本代表・戸田和幸氏が語るスポーツトレーナーの重要性「ケガは一人では乗り越えられない」

[ 2018年8月18日 18:11 ]

江戸川学園おおたかの森専門学校のスポーツトレーナー学科開設に伴いトークショーを行ったサッカー元日本代表の戸田和幸氏(提供EDOSEN)
Photo By 提供写真

 サッカー元日本代表の戸田和幸氏(40)が18日、千葉県流山市の江戸川学園おおたかの森専門学校(略称・EDOSEN)で講演した。同校では来年4月にスポーツトレーナー学科を開設する。自らのキャリアを振り返り、スポーツトレーナーの重要さと必要性を訴えた。

 頑強な当たりでボランチ(守備的MF)としてハードワークを売りにした戸田氏。それでもプロアスリートにつきものの故障と無縁ではなかった。桐蔭学園からJ1清水に入団直後、右足首のじん帯を断裂。晩年には両膝の軟骨損傷で1年以上のリハビリ生活も送った。

 「トレーナーは選手に一番近い存在。僕はケガをして、本当に不安で押しつぶされそうなことが何度かあった。一人では乗り越えられなかった。なぜなら知識がないから」

 リハビリを進める上で、正しい知識を元に、適切に導いてくれるトレーナーの存在が欠かせなかったという。「僕は人の数十倍は練習した。根性はある方なんです。でもやる気があればあるほど、それをコントロールしてくれる人が必要」という。

 「競技者は自分の道を突き進むべき。ある程度わがままでもいいと思っている。だからこそ、トレーナーを志す方には、人と関わる仕事、誰かのために存在している仕事だということはどこかに意識してほしいですね」と戸田氏。そのためには「人と人なので相性もある。スポーツ経験者の方が向いている。競技が違っても、想像できるから相手の気持ちが理解しやすくなる」と知識だけにとどまらない、幅広い人間性も重要と説いた。

 「ケガをするとトレーナーの方と付き合いが増え、深くなっていく。大変な時に助けてくれた方とは、今でも付き合いがありますね」と現役時代のサポートを振り返り、感謝した。

 同校のスポーツトレーナー学科は、トレーニング理論やコンディショニング理論を学び、テーピングやアイシングなどの治療技術を身につけ、スポーツ現場で活躍する人材の育成を目指す。またプロシーンに限らず、幅広い年齢の目的に合わせた健康・運動指導者も育てていくという。

 戸田氏は現在、慶大ソッカー部のコーチを務め、将来的にはプロクラブの指導者を目指している。聴講者は高校、大学のサッカー部員が多かった。「どんな形でもサッカーと携わってくれたらうれしいです。その携わり方もたくさんあるということは頭に入れておいてほしい」と訴えていた。

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2018年8月18日のニュース