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日本、元浦和監督ブッフバルト入閣も クリンスマン氏のサポート役に

[ 2018年7月5日 06:10 ]

1990年のイタリアW杯で優勝し、健闘をたたえ合う西ドイツのブッフバルト(左)とクリンスマン
Photo By ゲッティ=共同

 サッカー日本代表の次期監督に元ドイツ代表監督のユルゲン・クリンスマン氏(53)の就任が決定的となったことを受け、元ドイツ代表DFで元浦和監督のギド・ブッフバルト氏(57)が入閣する可能性が4日、浮上した。複数の関係者が明かしたもので、クリンスマン氏と親交が深く、日本サッカーを熟知する同氏にコーチ、もしくはアドバイザー就任を要請する可能性があるという。

 かつて白馬の馬車に乗り、浦和の街をパレードしたブッフバルト氏が、新監督の「右腕」となる。複数の関係者によれば、W杯ロシア大会の開幕直前、日本協会の田嶋会長は既にブッフバルト氏と接触していたことが判明。水面下では新生日本代表でのコーチ、もしくはアドバイザー就任の可能性について話し合われたもようだ。

 3日には、日本代表の新監督にドイツ、米国代表の監督を歴任したクリンスマン氏の就任が決定的となった。ブッフバルト氏と同氏は、90年W杯イタリア大会を制した西ドイツ代表で互いに攻守の要を務め、シュツットガルトでも長く同僚だった。ドイツ国内でも大親友として知られ、入閣が実現すれば、W杯優勝の味を知る最強タッグとなる。

 ブッフバルト氏といえば94〜97年に浦和でプレー。闘志むき出しのスタイルは当時、低迷していた浦和を戦う集団に変えた。04年からは監督として闘莉王、長谷部、ワシントンら個性派軍団をまとめ、06年にリーグ初制覇。10年には日本協会アドバイザーも務めた。日本人の性格、サッカーの特徴は熟知しており、選手、日本協会とのパイプ役としても期待される。

 今後も日本人路線を望む声もある中、再び外国人監督の招へいにかじを切った。田嶋会長はハリルホジッチ前監督を解任する際「コミュニケーション不足」を理由に挙げたが、ブッフバルト氏はそんな不安を解消する存在となる。今でも日本サッカー愛は強く、W杯前、ドイツ紙ビルトから受けた取材の中でもハンブルガーSVの役員としてクラブ所属のFW伊藤達哉(21)を「日本代表でも武器になる」と推薦していた。

 交渉が順調なら20日の技術委員会を経てクリンスマン体制が内定する運び。「(新監督は)日本人じゃないといけないことはない」と話す田嶋会長も、早ければ今月中の新体制移行を明言しており、組閣も着々と進んでいる。

 ▼90年W杯イタリア大会の西ドイツ 主に3―5―2の布陣を採用。MFマテウスを中心に攻守のバランスが良く、1次リーグを2勝1分けのD組1位で突破すると決勝トーナメントはオランダ、チェコスロバキア(当時)、イングランドを撃破。3大会連続で進出した決勝ではアルゼンチンに1―0で勝利して4大会ぶり3度目の優勝を果たした。FWクリンスマンは2トップの一角として3得点。DFブッフバルトは決勝でマラドーナを完封し勝利に貢献した。

 ◆ギド・ブッフバルト 1961年1月24日生まれ、ドイツ・ベルリン出身の57歳。現役時代は1メートル88の屈強な体格を生かした世界屈指のDFとして活躍。西ドイツおよびドイツ代表で76試合4得点。90年W杯ではマラドーナを完封するなど3度目の優勝に大きく貢献した。94〜97年に浦和でもプレーし、04〜06年には同クラブの監督としてリーグ優勝も経験している。親日家でユルゲン・クリンスマン氏とは無二の親友。

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