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西野新監督が“所信表明”、日本WAY回帰へ 脱ハリル流を宣言

[ 2018年4月11日 05:30 ]

日本代表・西野新監督が報道陣の質問に答える
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 6月14日開幕のW杯ロシア大会に出場する日本代表の西野朗新監督(63)が“所信表明”した。10日、都内で行われた日本代表全カテゴリーのコーチが集まる会議に出席。監督就任内定後、初めて公の場に姿を現し、12日の正式就任を前に、電撃解任されたバヒド・ハリルホジッチ前監督(65)の掲げた縦に速いスタイルとの決別を宣言。本来の日本の持ち味である組織重視の戦い方を打ち出した

 軽く立ち寄ったつもりが、即席の所信表明の場と化した。会議を終えた西野新監督は、就任内定後に初めて報道陣に対応。12日に就任会見を控えるため「あいさつだけ」と前置きしたが、質問には丁寧に応じ“会見”は8分まで伸びた。W杯開幕まで65日。急ピッチでのチームづくりを余儀なくされるが「覚悟、スピリットは持っている。最初に田嶋会長から話があった時は少しためらったが、最後のところで責任を果たしたい気持ちがあったので、受けさせてもらった」と力を込めた。

 次の日本代表の活動は5月21日開始の国内合宿の予定で、実際の準備期間は1カ月に満たない。西野監督が打ち出したのは“脱ハリル”だ。「積み上げてきた日本のサッカーがある。技術的に世界で通用する部分はたくさんあるし、規律を持って組織的に戦える強みもある。(ハリルホジッチ前)監督は強さ、速さ、推進力を求めて強く発信してきたが、それに追いつかない部分があった。ないものを求めるより、あるものを良くしていく。そこで勝負した方が早い」と強調した。

 ハリルホジッチ前監督は「デュエル」をキーワードに1対1の戦いを重視。縦に速いスタイルを標ぼうしたが、育成年代からパスワークを駆使した組織的な戦いを叩き込まれる日本には合わなかった。拒否反応を示した選手が采配、戦術を公然と批判する結果を招き、チームは空中分解。技術委員長の立場で経験した失敗を糧にして、日本の長所を生かす原点に回帰する。

 すでに組閣を進めており、20年東京五輪に出場するU―21日本代表の森保監督がA代表コーチを兼任することが濃厚。G大阪監督時代に黄金時代を築いたジェルソンGKコーチにもオファーを出した。正式就任は12日の理事会で決まるため、11日のJリーグ視察は見送る方針だ。7日に63歳の誕生日を迎えたばかり。最後に報道陣から「おめでとうございます!」と祝福されると「それを一番に言ってもらわないと」と笑いを誘い、ダンディーに現場を後にした。

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