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前橋育英・山田監督 悲運にさらば…就任当時は部員全員リーゼント「スクール・ウォーズでした」

[ 2018年1月9日 05:30 ]

第96回全国高校サッカー選手権決勝   前橋育英1―0流通経大柏 ( 2018年1月8日    埼玉 )

イレブンに胴上げされる前橋育英・山田監督
Photo By スポニチ

 選手たちの手で3度宙を舞った山田監督は男泣きした。「ホッとした。負けたらいろいろ言われるから」。前橋育英を指揮して35年。熟成させたパスサッカーが結実し、優勝旗を初めて群馬にもたらした。

 名将・小嶺忠敏監督が率いた島原商(長崎)で選手として77年の高校総体Vを経験。恩師のように「本気」で生徒と向き合ってきた。83年の就任当初、20人足らずの部員は全員がリーゼント。練習をボイコットされた時期もある。部活に出るよう説き伏せ、練習ではともに汗を流した。柔道や相撲を取って生徒たちを負かしたこともある。「スクール・ウォーズでした」。今年度から校長も務める指揮官の学校改革は、波瀾(はらん)万丈だった。

 選手権は4強4度に準優勝2度。「勝負弱い」とレッテルを貼られたが、OBで元日本代表DFの故松田直樹さんの気持ちの強さを説くなど、技術だけでなく選手の心も鍛えあげてきた。そして若き熱血教師は58歳となり、夢を果たした。「優勝できない星の下で生まれてしまったのかと…。本当にホッとしている」と感慨深げだった。

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2018年1月9日のニュース