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“前育のスアレス”飯島10年ぶり1試合4発、それでも「50点」

[ 2018年1月3日 05:30 ]

第96回全国高校サッカー選手権大会2回戦   前橋育英5―0初芝松本 ( 2018年1月2日    ニッパツ )

<初芝橋本・前橋育英>後半28分、4点目のゴールを決める前橋育英・飯島(左)
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 前回準Vの群馬・前橋育英が“消えるFW”飯島陸(3年)の4発で圧勝発進した。「動きだしがポイント。DFがボールウオッチャーだったので、相手から消える動きができた」。先制点と4点目は相手DFの裏に抜けて決めた。GKのこぼれ球に反応した2点目。3点目は抜群のポジショニングが生きた。

 前回決勝で青森山田に0―5と屈辱的な大敗。飯島は「決定力の差を思い知らされた」と言う。雪辱を誓った。その日からスアレス(バルセロナ)、C・ロナウド(Rマドリード)の動画が手放せなくなった。50メートル走6秒2の快足ボディーに相手DFの視界から消える動きを徹底して染み込ませてきた。

 部内では日本代表のハリルホジッチ監督のような5原則が合言葉となった。(1)デュエル(2)攻守の切り替え(3)ハードワーク(4)声(5)はね返しとセカンドボールを拾うこと。この日、点差が開いても原則は貫いた。今後の連戦を考慮し、5人の交代枠も使い切るなど盤石の白星発進だ。

 1試合4得点は07年度の大前元紀(当時、流通経大柏、現J2大宮)以来10年ぶりの偉業。今春、G大阪入りする松田、J2新潟入りする渡辺が引っ張る守備陣も無失点とかみ合った。それでも飯島の自己評価は「まだ50点」。悲願の全国制覇へ、“前育のスアレス”は貪欲にゴールを狙い続ける。

 ◆飯島陸(いいじま・りく)1999年(平11)11月17日生まれ、埼玉県出身の18歳。クマガヤSCを経て全国制覇を狙える高校を目指し前橋育英に進学。前回大会で準優勝に輝き、大会優秀選手と高校日本選抜に選出される。法政大に進学予定。1メートル66、58キロ。

 ≪大前以来の快挙≫前橋育英の飯島が初芝橋本戦で4ゴール。1試合4ゴール以上は07年度の86回大会で、流通経大柏の大前元紀(4G=現J2大宮)が準決勝・津工を相手に達成して以来10大会ぶり。他に4ゴールは00年度の大久保嘉人(国見・現川崎F)、99年度の石黒智久(富山第一・元J2富山)ら。

 ▼初芝橋本・阪中監督 前橋育英が強かった。ポジショニングも良く、ボールが全てそこに行った。差がありました。

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