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W杯初出場のアイスランドと日本の接点

[ 2017年11月3日 10:00 ]

10月のW杯欧州予選でコソボを下し、W杯初出場を決めたアイスランド。前半40分、先制ゴールを決めたシグルドソン (AP)
Photo By AP

 【大西純一の真相・深層】アイスランドが初のW杯本大会出場を決めた。人口約33万人の史上最少人口国、昨年のユーロに続く大舞台で、世界のサッカー地図を変えたが、日本との接点もある国だ。

 アイスランドといえば、日本がミュンヘン五輪予選へ向けた強化の一環として行った71年の欧州遠征で、8月13日にレイキャビックで対戦し、2―0で勝っている。この勝利、日本が五輪代表をのぞくA代表同士の国際Aマッチで、初めて欧州勢からあげた白星だった。その後、96年2月にカールスバーグカップ(香港)でポーランドに5―0で勝つまで、欧州勢から勝利をあげた唯一の対戦国だった。

 当時は「あまりサッカーが盛んではない国」といわれ、同じくサッカーがマイナーだった日本が“同格”と思える国だった。

 さらにアイスランド代表は1994年3月に「アイスランド共和国独立50周年記念国際サッカー」で来日し、スポニチ主催で当時JFLの柏レイソルと栃木でプレシーズンマッチを行い、2―1で勝利を収めた。柏はカレッカが加入した直後で、棚田のゴールをアシストして話題になった試合だった。日本代表と欧州のクラブチームが対戦したことはあるが、欧州の代表チームと日本のクラブチームの対戦は極めて珍しい。

 それから23年、その間に日本も98年W杯フランス大会で初出場を果たし、その後6度、W杯出場を果たしている。アイスランドも今ではプレミアリーグやセリエAなどで活躍する選手も多く、今回のW杯予選突破もたまたまではない。W杯初出場を機に、W杯常連国の仲間入りをするかもしれない。

 それにしても日本と接点があった国が強くなっていくことはうれしい。W杯ロシア大会では、日本もアイスランドよりいい成績を残せるようにしたいものだ。

 ◆大西 純一(おおにし・じゅんいち)1957年、東京都生まれ。中学1年からサッカーを始める。81年にスポニチに入社し、サッカー担当、プロ野球担当を経て、91年から再びサッカー担当。Jリーグ開幕、ドーハの悲劇、ジョホールバルの歓喜、W杯フランス大会、バルセロナ五輪などを取材。

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2017年11月3日のニュース