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ACミラン止まらぬ没落 総額308億円大型補強も低迷する理由

[ 2017年10月24日 11:20 ]

セリエA・第9節   ACミラン0―0ジェノア ( 2017年10月22日 )

<ACミラン・ジェノア>前半、退場処分となりがっくりするボヌッチ(右から2人目)
Photo By AP

 セリエAで名門復活を目指すACミランが苦しんでいる。22日、ホームのジェノア戦で、前半に主将のイタリア代表DFレオナルド・ボヌッチ(30)が一発退場となったことが響き、0―0で引き分け。連敗を3で止めたものの、4戦勝ちなしで11位に転落した。今オフに総額300億円以上を使って計11人の大型補強を敢行しながら、低迷する理由とは。

 ジェノア戦から一夜明けた23日、モンテッラ監督が近く解任される可能性が出てきた。コリエレ・デロ・スポルト紙は「キエーボ戦(25日)かユベントス戦(28日)で運命が決まる」と報道。後任候補にはパウロ・ソウザ氏(前フィオレンティーナ)らが浮上した。

 昨年4月に就任した中国人新オーナーの下、今夏に大型補強を敢行。ファッソーネCEOは「2億3000万ユーロ(約308億円)以上を費やした」と明かし「欧州CL出場権を確保できなければ失敗」と4位以上を目標に掲げていたが、11位にまで転落。本田が在籍していた昨季の9節時点は3位で、財政難だった1年前よりも成績は悪化している。

 原因は新戦力の不調だ。最も期待を裏切っているのがユベントスから移籍金4200万ユーロ(約56億3000万円)で加入したボヌッチ。ジェノア戦の前半25分に相手選手を肘打ちして一発退場。ローマ戦はジェコ、ミラノダービーはイカルディを止められず3連敗の“戦犯”となった。またポルトから移籍金3800万ユーロ(約50億9000万円)で獲得したポルトガル代表FWアンドレ・シウバはリーグ4試合無得点。本田から10番を引き継いだ前レバークーゼンのトルコ代表MFチャルハノールもセリエA初挑戦で、本領を発揮できずにいる。

 指揮官の“迷走”も批判の的。試合ごとに選手を入れ替えていては、新顔が多いチームの連係は育たない。9月中旬から布陣を4―3―3から3―5―2に変更。ジェノア戦は3―4―2―1を採用した。MFボナベントゥーラは「昨季は連係ができていた。それを崩して新選手を入れるのだから簡単にはいかない」と語った。さらにモンテッラ監督とミラベッリ強化部長の確執報道も浮上。同部長が「監督に与えられる時間には限りがある」と公言する中、今週の連戦が2年目指揮官にとって天王山となりそうだ。

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