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工場勤務から成り上がった背番号17 存在感増すC大阪・福満

[ 2017年9月20日 09:30 ]

<C大阪・浦和>浦和・梅崎(右)と競り合いながらドリブルで攻め上がるC大阪・福満
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 工場勤務から成り上がってきた25歳が、リーグ戦の戦力に食い込んできた。オフにJ2山口から完全移籍でC大阪に加入したMF福満隆貴は、序盤戦はチームの紅白戦でサブ組にすら入れなかったものの、大幅にメンバーを入れ替えて臨んでいるルヴァン杯で台頭。第12節大宮戦で初めてJ1の舞台に立つと、現在は10試合連続でベンチ入りを果たしている。「チャンスが来たら、チームの勝利に貢献したい」。味方を生かすパスセンスに加え、自ら飛び出すこともできる攻撃的MFだ。

 一歩ずつ、階段を上ってきた。高校卒業後、九州リーグに参戦していた専門学校・九州総合スポーツカレッジへ。12年にはJFLで戦っていた「HOYO AC ELAN 大分(現ヴェルスパ大分」に入団する。アマチュア選手だったため、月曜から金曜の週5日、キャノンの一眼レフカメラの一部を作る工場に勤めた。仕事は立ちっぱなしで、勤務時間は午前8時30分から午後5時30分までの9時間。午後7時からサッカーの練習をし、アウェーでのナイターゲーム翌日に朝から出勤することもあった日々を3年間続けた。

 だが、当時を振り返る表情に悲壮感はない。「(仕事は)キツかったけど、なかなかできない経験だし、そういう世界を見て学べることがあった。しんどくても、サッカーが好きだったから続けることができたし。すごくいい勉強をさせてもらえた3年間だった」。15年にJ3山口に移籍し、その年にJ2昇格に貢献。翌年はJ2で40試合出場5得点と実績を残し、J1へ昇格したC大阪から完全移籍でのオファーが届いた。

 昇格1年目ながらリーグ戦では上位争いを繰り広げ、ルヴァン杯と天皇杯でも勝ち残っているC大阪。シーズンが佳境を迎えていく中、苦労人の背番号17が今まで以上に存在感を発揮することを期待している。(西海 康平)

 ◆福満 隆貴(ふくみつ・たかき) 1992年(平4)2月22日、鹿児島県出身の25歳。出水中央高から専門学校の九州総合スポーツカレッジに進み、12年に「HOYO AC ELAN大分(現ヴェルスパ大分」に加入。15年に山口へ移籍し、17年にC大阪へ完全移籍で加入。1メートル71、63キロ。利き足は右。

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2017年9月20日のニュース