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退団の内田「寂しいけど、悲しくはないかな」

[ 2017年9月11日 18:29 ]

 ドイツ2部ウニオン・ベルリンに移籍した元日本代表DF内田篤人(29)が、同1部シャルケが開催した退団セレモニーに出席し、サポーターに別れを告げた。セレモニー後の主な質疑応答は以下の通り。

 ――退団セレモニーの感想は。

 「寂しいけど、悲しくはないかな。悲しいって思うなら(シャルケに)残るし。自分はプレーしたいと思ったから」

 ――セレモニーをやる話はいつ聞いたか。

 「結構前にシャルケ(の幹部)と話をしたときに“(何もしないと)ファンに怒られるから、ぜひやらせてくれ”って言われていた。日程は今日がデュッセルドルフで試合だったので、タイミング的にはここが良かった」

 ――最後にファンへあいさつできた。

 「あいさつなしで(ウニオン・ベルリンの)入団会見もしちゃったし、入団会見の最後に(シャルケへのお別れを)言おうと思ってたんですけど。やっとこれでお別れって感じかな。今日も見たけどやっぱりいいスタジアムだし、ここで7年間できたのは自分の中で大きいなと思います」

 ――ドイツ語であいさつした。

 「あれはね、もうちょっと上手くしゃべれるんだけど(笑い)」

 ――文章は自分で考えたのか。

 「はい。ちょっと手助けをしてもらって」

 ――クラブの公式TVでは“本当は選手として戻ってきたかった”と言っていたが。

 「それを目標にリハビリしてましたし、(復帰まで)こんなに長く掛かりましたけど、グラウンドには今日戻れたので(ウニオン・ベルリンで初出場)。まあ、スタートです」

 ――セレモニーで送り出してもらえる選手は多くない。

 「僕がいた中では、ラウール(元スペイン代表FW)とフンテラール(オランダ代表FW)だけ。ありがたいですよ。こんな機会を与えてもらって」

 ――温かく送り出してもらえた。

 「移籍当初は、慣れるのに時間が掛かりましたけど、良い相方と良いチームメイトに恵まれて、本当に財産かなって気がします」

 ――これまでの映像がスクリーンに映し出されていたが、一番印象的な試合は。

 「一番好きな試合は欧州CLのバレンシア戦(2011年3月9日。決勝トーナメント1回戦第2戦で3―1で勝利し、2戦合計4―2で準々決勝進出)。最後にファルファン(ペルー代表FW)がカウンターで(点を)入れるんだけど、後ろから見ていたらスタジアムが揺れていたからね。ずっと鳥肌が立ったし、これがサッカー選手として一番幸せな時間なんだなって。あのシーンは、今でもすごく覚えている」

 ――このスタジアムの雰囲気が好きだと言っていたが、今日来て改めて感じたか。

 「サッカー選手として何が一番誇りとか嬉しいことっていうのは、こういうスタジアムで(プレー)できること。大きな声援をもらって送り出してもらえるというのは、誰でもできることではないから本当にありがたい。(昔から在籍していた)選手が移籍して(ファンから)どうなの?という声もあると思うけど、サッカーは(人の動きの)流れが早いし、監督もGMも代われば、そうなるのはしょうがないから。僕もここを出るのは寂しいけど(チームが)変わるタイミングで出られて良かったと思う。スタートが切れたからね」

 ――選手が変わるのはサッカーの世界では仕方がないか。

 「もちろん。俺とヘベデス(ドイツ代表DF。今夏にユベントスへ移籍)が最後まで残ってたけど、2010年に(鹿島から)移籍した時の仲間はもう全員いないし。そういう入れ替わりが激しい中で、7年間在籍できたっていうのは大きいと思うし、こういう流れというのは受け止めるべきだと思う。別に引退するわけじゃないし」

 ――7年間シャルケでプレーできたことについてどう思うか。

 「これからどんなことがあっても財産。どこに移籍しようが、サッカーを辞めるときでも、この7年間というのは特別な7年間だったと。こんないいスタジアムで試合なんて(なかなか)できないからね」

 ――欧州チャンピオンズリーグ(CL)に日本人最多の29試合に出場した。

 「これから(日本人選手が)たくさん出てきてくれないと困るけどね。真司(ドルトムントMF香川)も今季CLがあるし。もちろん自分もそこに返り咲くことは目指しているので」

 ――ドイツ杯でここに戻ってくる可能性もある。

 「そうだね。それを願うべき」

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2017年9月11日のニュース