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本田“落第”「全然ダメ」ボールロスト連発 代表落選ピンチ

[ 2017年9月7日 05:30 ]

W杯アジア最終予選B組   日本0―1サウジアラビア ( 2017年9月5日    ジッダ )

前半、ボールを奪われる本田
Photo By スポニチ

 日本代表は5日(日本時間6日)、ジッダでW杯アジア最終予選サウジアラビア戦に臨み、0―1で敗れた。前半45分限定で出場機会が与えられたFW本田圭佑(31=メキシコ1部パチューカ)は、ボールロストを繰り返すなど低調なパフォーマンスで10試合連続無得点。来年6月のW杯ロシア大会へ向け、バヒド・ハリルホジッチ監督(65)が本格的な選手選考へと入る試合で、落第点スタートとなった。

 耳をつんざくような大歓声が、骨身にしみた。試合終了を告げる笛をベンチで聞いた本田は、誰よりも先に通用口へ消えていった。6万2165人が詰めかけた完全アウェーでのサバイバルマッチ。前半45分の出番で違いを生み出すどころかチームを停滞させた。

 「全然ダメですね。何を言っても言い訳になる。ダメだったという結果しか残らないですね。いろんなものを代表で取り戻していかないといけない」

 インサイドハーフではなく右サイドとしてプレー。持ち前のキープ力は鳴りを潜め、相手に寄せられてはボールロストの連続。不安定なポジショニングで攻撃を停滞させた。43分には自陣で痛恨のパスミス。相手にかっさらわれ速攻から決定機をつくられた。

 懸命に守備に戻っても、逆襲に移る展開では縦への速さに付いていけず、岡崎を孤立させた。攻守両面で周囲とかみ合わなかった。左腕に主将マークを巻いた背番号4は「難しい試合だった。もう少し、ビッグチャンスをクリエートしていければ良かったんですけど…」と反省の言葉が続いた。

 崖っ縁に立たされた。試合後の会見でハリルホジッチ監督は「(クラブで)ゲームの出場時間も短く、ゲーム勘も欠けているのは分かっていたので、45分の前提で使った」と説明。その上で「彼は今、トップコンディションではない。ゲーム勘を取り戻してほしい」と突き放した。パチューカに新天地を求めた本田だが、右ふくらはぎを痛めていきなり出遅れ、万全には程遠かった。

 「代表でも自分の良さが一番生きるのは真ん中。しっかり自分がいいプレーをしないと真ん中では使ってもらえない。まずは真ん中で試合に出続けることが重要」。あくまで司令塔ポジションへのこだわりを見せたが、その言葉は説得力に欠けた。コンディションを取り戻すことは絶対条件だが、そもそも、縦への速い展開を志向するチームに、ポゼッションサッカーを得意としてきた背番号4の居場所はあるのか。厳しい現実を突きつけられた本田が、代表落選の危機に直面した。

 ◆日本代表の世代交代

 ☆98年フランス大会 エースとしてアジア予選を戦った三浦知良が本大会直前のキャンプ地で落選。本大会では96年アトランタ五輪世代の中田英寿が司令塔としてゲームを組み立てた。1次リーグ3戦全敗となったが、中田は全試合でフル出場を果たし、06年大会まで日本代表の主力として活躍した。

 ☆10年南アフリカ大会 本田圭佑が09年のオランダ遠征から頭角を現し、10年5月の韓国との壮行試合からは、チームの象徴的存在だった中村から定位置を奪った。本大会では1トップに君臨し、2得点するなど16強進出の立役者となった。GKも直前合宿中に川島が正GKの座をつかみ、長く続いた楢崎、川口体制に終止符を打った。

 ☆14年ブラジル大会 13年7月の東アジア杯で代表に初招集された山口が台頭。アジア予選では不動のボランチだった遠藤が、コンディションを落としていたこともあり、山口が1次リーグ初戦のコートジボワール戦、第2戦のギリシャ戦でフル出場。歴代最多の国際Aマッチ152試合出場を誇るベテランからポジションを奪った。

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2017年9月7日のニュース