麻也　唯一の全９戦出場！“作戦”狙い通り完封で充実感

Ｗ杯アジア最終予選Ｂ組   日本２―０オーストラリア （ 2017年8月31日    埼玉 ）

＜日本・豪州＞後半、カーヒル（左から２人目）を激しくマークする山口（左）と吉田
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　Ｗ杯出場決定を決めるホイッスルが鳴り響くと、ＤＦ吉田はＧＫ川島とがっちり抱き合った。「今回は予選を通じて苦しい時期が続いた。突破の喜びは前回よりも大きい」。メンバーの中で唯一、Ｗ杯最終予選全９試合に先発出場。２次予選を含め全１７試合にフル出場して守備陣をけん引しただけに「１試合目（ＵＡＥ戦）でイエローをもらって、よくここまで粘れた」と充実感を漂わせた。

　狙い通りの戦法でＡマッチ３試合ぶりに完封した。オーストラリアの１トップはトロイージ。ＤＦラインの裏を狙ってくると読み、序盤からラインを高く保った。後半１６分に１メートル８９の長身ＦＷユリッチ、同２５分に“日本の天敵”カーヒルが投入されると、徹底的にクロスをケア。９０分間でわずか４本のシュートしか許さなかった。「相手にやりたいサッカーをやらせなかった」と胸を張った。

　３月に長谷部が離脱した際は主将を務めた。「みんながいい方向でプレーできるように難しい監督と交渉するだけでした」。冗談めかして振り返るが、代表経験が少ない相棒の昌子を食事に誘って親交を深めるなど、ピッチ内外で果たした役割は計り知れない。「若い選手が結果を出してくれたのはうれしい」。浅野、井手口の活躍を喜ぶ姿には主力としての風格が漂った。

　Ｗ杯は借りを返す舞台だ。「（１分け２敗に終わった）ブラジルＷ杯は悔しさしか残っていない。ロシアでいい結果を残して、歴史を塗り替えたい」。目標にするのは１０年南アフリカ大会で決勝トーナメントに導いた中沢と闘莉王超え。歴代最強センターバックの称号を手にするまで、集中を切らさない。