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浦和逆転!!ミシャ監督「私は生き残った」前節後辞任示唆も

[ 2017年7月10日 05:30 ]

明治安田生命J1リーグ・第18節   浦和2―1新潟 ( 2017年7月9日    埼玉 )

笑顔で会見場を後にする浦和のペドロヴィッチ監督
Photo By スポニチ

 1試合が行われ、8位の浦和が新潟に2―1で逆転勝ちし、勝ち点を29に伸ばした。前半35分に先制点を許したが、後半29分に主将のMF阿部勇樹(35)のゴールで同点。さらに同34分にはFWラファエル・シルバ(24)のゴールで勝ち越した。新潟戦に負ければ辞任を示唆していたミハイロ・ペトロヴィッチ監督(59)は、ひとまず窮地を脱した。

 逆転のゴールが決まった瞬間、安堵(ど)したのか、思わずペットボトルの水をグイッと飲み込んだ。試合後は顔を真っ赤に染め、会見場に登壇。最下位の新潟に薄氷を踏む勝利だったが、それでも「私は生き残った!」とペトロヴィッチ監督。試合前に見せていた悲壮な表情から一転、“ドヤ顔”でメディアを見渡した。

 勝利しなければ辞任を示唆していた。5日の川崎F戦で1―4と大敗。試合後、批判の声が渦巻くサポーターの元に向かい「新潟戦で勝ち(その後も)連勝できなければ私が一番最初にここから出て行く」と発言。だがこの日、発言の真意については「社員、社長らに懸かる(サポーターからの)圧力を自分に向けた」と説明。辞任騒動には自ら幕を下ろした格好だ。

 選手の奮闘に救われた試合だった。前日8日の練習で主力組から外されたDF槙野は「愛のムチ」と感じ取ったという。結局、先発で起用され「監督を辞めさせるわけにはいかない。いつも以上の気迫、緊張感は伝わったと思う」と話した。戦術以上に危機感で、もぎとった勝利だった。

 試合前、ペトロヴィッチ監督は大勢のカメラマンにフラッシュをたかれた。「“私の最後”かと思ったと思うが、もう少し頑張りますよ。少なくとも10年はここで仕事をしたい。私が去るのを決めるのは、見ている人でもメディアでもない。クラブだけだ」。辞任示唆から一転、長期政権を視野に入れていることを明かした。

 12日に天皇杯3回戦のJ2熊本戦、22日には首位C大阪戦が待つ。現在8位。厳しい状況は変わらないが、指揮官が息を吹き返す「1勝」となった。

 《決勝ゴールは今季初》浦和が最下位の新潟相手に2―1の逆転で辛勝。今季の逆転勝ち3度目は鹿島、C大阪と並び最多タイとなった。FWラファエル・シルバが後半34分に決勝弾。リーグ戦では第8節(4月22日)の札幌戦以来、出場8試合ぶり(チーム10試合ぶり)のゴール。今季通算7得点目だが、決勝ゴールは初めてだ。

 前半35分に先制点を許し、これでリーグ戦は第8節から11試合連続で失点。11試合連続は04年の13試合連続失点(第1ステージ第10節〜第2ステージ第7節)以来、13年ぶりの屈辱。J創設の93年〜04年までに11試合以上の連続失点は計8回も記録したが、05年以降は1回もなかった。昨季はリーグ最少失点で無失点が15試合(今季は現在2試合)あった。まずは相手を無失点に抑えて連続試合失点を止めることが再建への第一歩だ。

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2017年7月10日のニュース