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マインツFW武藤 独3年目の目標「PKを譲らない」に込められた決意

[ 2017年7月7日 11:15 ]

マインツのFW武藤
Photo By スポニチ

 PKを譲らない。マインツ3年目となるFW武藤嘉紀(24)が掲げた目標の一端に、悲壮な覚悟が込められていた。目指す数字は、いたってシンプル。「15点以上取る」。かつて同じユニホームを着たFW岡崎(現レスター)がマークしたブンデスリーガでの日本人シーズン最多15得点超え。それを積み重ねるために欠かせないのが、PKでの得点だという。

 「エゴイストにならないと。PKを譲っているようだと、あれで1点取れないのはもったいない。チームメートから“どうした?”と思われるかもしれないけど、そういう強さも大事だと思う」。

 過去2年でリーグ39試合12得点を挙げた武藤だが、PKでネットを揺らしたことはない。PKを蹴らずに消極的な自分を悔いたシーンは昨季2度あったという。「残留争いもあって、チームの決まりごとを乱すわけにはいかなかった。プレッシャーがかかる時も、リスクを負ってでも決めないといけない」。単にゴールを決めるだけではない。PKキッカーを任されるに足る圧倒的な結果、絶対的な自信と信頼までも勝ち得ることが、3年目の裏テーマとなる。

 今オフには、海外組を集めて行われるカズ会にも初参加。「刺激的でした。いくつになっても、下の選手に慕われるカッコイイ男でいたいと思う」と目を輝かせ、カズから「地に足を付けて、とにかく一日一日、練習しなければいけない」と助言を受けた。マインツは今月19日にドイツ遠征を行う古巣のFC東京と練習試合を行う。8月19日にハノーバーと激突するリーグ開幕戦まで刺激には事足りない。

 W杯本大会に王手をかけた日本代表は8月31日から運命の最終予選2連戦を迎える。「(選出なら)最初の2試合で(日本に)戻ってくる。そこまでにしっかり結果を出して、自分がベストコンディションだとアピールしたい」。16年9月以来の代表復帰へ。ケガにも泣いたワンダー・ボーイが、完全復活を遂げる準備はできている。(大和 弘明)

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2017年7月7日のニュース