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惜別キャプテン本田 ミラン先発、最初で最後の“大役”果たす

[ 2017年5月29日 05:30 ]

セリエA・最終節   ACミラン1―2カリアリ ( 2017年5月28日 )

<ACミラン・カリアリ>キャプテンマークを巻き、競り合う本田(中央)
Photo By 共同

 ACミランの日本代表FW本田圭佑(30)が28日、最終節の敵地カリアリ戦で今季初のフル出場を果たした。昨年10月25日のジェノア戦以来となる今季2度目のスタメンで、初めて主将を任された。試合前にはクラブ公式チャンネル「ミランTV」に心境を激白した本田は両サイドの位置から何度もチャンスをつくったが、試合は1―2で敗れた。退団を表明しているクラブでのラストマッチを、勝利で飾れなかった。

 3年半、ミランの10番を背負った本田にとっての最後の花道だった。今季2度目のスタメン。しかも左腕に主将マークを巻き、90分を戦い抜いた。本田は試合後にコメントを残さなかったものの、モンテッラ監督は会見で「(これまで)出場機会をあげられなかったが、プロフェッショナルな選手だった。褒美のつもりで(主将を)与えた」と説明した。

 本田は試合前に「ミランTV」でコメントを披露。「ミランのユニホームを着られて、とても幸せだし、とても光栄に感じている」などと述べた。注目の去就については「現時点では分からない。来季について決断を下していない」と報告していたが、ミランでのラストマッチは万感の思いを込めて、一プレーごとに全身全霊を注いだ。左FWでスタート。前半17分に先制されたが、その4分後には左CKを蹴り込み決定機を演出するなど存在感を見せる。後半は両サイドを行き来し、8分にはペナルティーエリア左でスルーパスを受け、左足の低弾道のクロスでチャンスをつくった。16分に右FKでPK獲得を演出。ミランは一度は追いついたが、後半ロスタイムに失点。ホーム最終戦となった前節ボローニャ戦では今季初得点となる直接FK弾を決めたが、有終の美は飾れなかった。

 14年1月から在籍しセリエA通算81試合9得点。決して好成績を残したわけではない。低迷する名門再建のために過激な物言いをし批判の集中砲火を浴びたこともある。だが、自分を貫いたことは確かだった。

 「この3年半、ミランの10番に値するプレーをそれほど見せられなかったかもしれない。でも、自分は全力を尽くして、決して諦めることはしなかった。毎試合、毎日の練習で、自分のパッションを込めてプレーしてきた。ミランサポーターには今後もずっと感謝の気持ちを忘れないだろう」。日本人レフティーが、ロッソネロのユニホームを脱いだ。

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