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155センチMF中川J最小ヘッド!柏の6連勝&2位浮上に貢献

[ 2017年5月21日 05:30 ]

明治安田生命J1リーグ・第12節   柏2―0磐田 ( 2017年5月20日    ヤマハ )

<柏・磐田>後半29分、シュートを決め、イレブンと喜ぶ柏・中川(右端・19番)
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 8試合が行われ、柏がアウェーで磐田を2―0で下し、2位に浮上した。1―0の後半29分に身長1メートル55のMF中川寛斗(22)が頭でゴール。Jリーグ史上最も低身長の選手によるヘディング弾が生まれた。後半10分にはPK獲得の判定が取り消される“珍事”も発生。異例ずくめの一戦を制して、14年以来3季ぶりの6連勝を飾った。

 身長差25センチは関係なかった。1―0の後半29分、1メートル55の中川寛は、マークされていた1メートル80の相手DF高橋の死角に入り、そこから一気に加速。クリスティアーノの右サイドからの低い弾道のクロスを頭で合わせた。4月22日の横浜戦以来4試合ぶりの今季2点目。連日の居残り練習で体に染みこませた狙い通りの形だった。「頭での得点は小学生の時に1回あるぐらい。いいボールが来たので落ち着いて触るだけだった」。Jリーグ史上最も低身長の選手によるヘディング弾が生まれた瞬間だった。

 柏の下部組織に所属した18歳時の登録は身長1メートル58。当時は3センチサバを読んでおり「昔は少しでも大きい方がいいと思っていたので盛っていた」と明かす。それから4年。特徴ある選手が多いプロ入り後は身長を個性と思えるようになり「子供たちに身長が低くてもプロで活躍できるという夢を与えたい」というポリシーだ。この日は磐田市の招待で地元の小学生約3200人がスタジアムで観戦。敵地ではあったものの、チビっ子に夢を届けた。

 “珍事”は最小兵ヘッド弾だけではない。1―0の後半10分にクリスティアーノが相手GKカミンスキーに倒された場面で、主審はPKと判定。先にボールに触っていたとして磐田側から猛抗議を受けると、副審と話し合った末にPKを取り消した。下平監督は「PKを取り消されたのは初めて。信じられない」と激怒。納得のいかないジャッジを乗り越え、チームは6連勝で2位に浮上した。大谷主将は「下(の順位)にいるより気分はいいけど、やることは変わらない。いつも言っている通り最後にどの順位にいるかが大事」。異例ずくめの一戦を制しても、恒例のコメントを口にした。

 ◆中川 寛斗(なかがわ・ひろと) 1994年(平6)11月3日、埼玉県生まれの22歳。U―12から柏の下部組織に所属し、13年にトップチームに昇格。同年に湘南に期限付き移籍した。13年4月27日の磐田戦でプロデビュー。14年には湘南のJ2優勝に貢献し、15年から柏に復帰した。U―17〜19日本代表経験を持つ。J1リーグ通算44試合4得点。右利き。1メートル55、57キロ、足のサイズは24.5センチ。血液型O。

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