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右膝におまじない 明神から米本へ 受け継がれる“ダイナモ魂”

4月30日の長野戦の試合後、サポーターからの声援に胸のエンブレムを触りながら応える米本
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 ケガに泣いた男が“魂”を吹き込まれる瞬間があった。4月30日のJ3長野―FC東京U―23(長野Uスタ)。16年7月の川崎F戦で右膝十字じん帯と内側側副じん帯を損傷したFC東京のMF米本拓司(26)が、オーバーエージ枠として約10カ月ぶりに公式戦のピッチに立った。試合後のミックスゾーン。米本に近づいてきたのは、長野に所属する39歳の大ベテランのMF明神智和だった。

 明神は笑顔を見せながら米本の前で立ち止まり、いきなりひざまずいてみせる。そして、アイシングを施していた米本の右膝を両手でさすった。「何回もケガしているから。去年、映像で見た時にもケガをしていて…。気をつけても、やってしまうものだから」。そう語る明神は、もう2度と米本がケガをしないように念じた。米本は10年2月に断裂した左膝十字じん帯を翌11年4月に再び断裂。これが3度目の長期離脱だった。中盤の底から球際激しく、ボールを奪い取る。そのプレースタイルを貫く先輩からの“おまじない”は、昨年8月に右膝にメスを入れた米本にとって、何よりの秘薬になったに違いない。

 日本屈指のダイナモ同士の邂逅(かいこう)は09年にさかのぼる。Jリーグ1年生の米本がG大阪と対峙(たいじ)し、1つの理想像に出合う。それが02年W杯日韓大会で日本の決勝トーナメント進出に貢献した明神だった。「セカンドボールを全部取っていた。同じタイプだと思った」。ボールを刈り取る術を研究し、自分のモノにした。今では明神に「ヨネはうまいし、ボールの取り方を参考にしている」と言わしめるまでに米本は成長している。米本のカムバックとなった試合は先発した明神が後半26分に退き、米本は同32分から出場。同時にピッチに立つことはなかったが、刺激し合う2人の再会は運命の巡り合わせだった。

 「ヨネはまだまだ強くなれる。ここからトップチームでもやって、復活してほしい」。その明神の言葉通り、日本代表復帰も狙える米本は5月10日のルヴァン杯大宮戦でトップチーム復帰を果たし、完全復活へと近づいている。かつて日の丸を背負ったファイターから伝えられた“ダイナモ魂”は、クラブの垣根を越えて受け継がれていく。(大和 弘明)

[ 2017年5月20日 10:30 ]

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