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15歳久保、華麗パス披露!U20世界一へ「気持ち」持ってきた

[ 2017年5月12日 05:30 ]

U―20日本代表国内合宿

ミニゲームでヒール気味にボールを流す久保(左)
Photo By スポニチ

 20日に開幕するU―20W杯韓国大会に臨むU―20日本代表の国内合宿が11日、静岡県内でスタートした。飛び級で招集されたFW久保建英(15=FC東京U―18)は初日から持ち味のテクニックを披露。99年ナイジェリア大会で準優勝した「黄金世代」超えを目指すチームの一員として、強い気持ちが表れる合流となった。

 期する思いが、初日からプレーに表れた。8対8のミニゲーム。左からのクロスを受ける際、久保は一瞬にして周囲を確認。そして鮮やかで正確な右足ヒールで軌道を変え、堂安のゴールをアシストしてみせた。ボールを持てば“ルーレット”で相手をかわす。「ドリブル、パス、シュート…。攻撃で持っているものを全て出したい」。失うものは何もない。あいさつ代わりの華麗なプレーに決意がにじみ出た。

 世界を脅かす準備はできている。日本代表史上最年少となる15歳で迎える国際舞台。長期間にわたる代表活動に持参したものを問われると、数秒の間をおいて「気持ち、ですかね」と答えた。他には「特に何も持ってきてないです」。サッカーに全神経を注ぐ覚悟だ。

 言わずと知れた名門バルセロナの下部組織出身の天才ドリブラー。J3のFC東京U―23ではJリーグ史上最年少得点を記録。今月にはルヴァン杯でトップチームの戦いを2度体感した。2日のメンバー発表後の9日間で公式戦3試合を消化。疲労もあるが「いろんな人に相談させてもらって、こういう日程になった。全く問題ない」と言い切る。世界と渡り合うという高い意識が、15歳の背中を突き動かしている。「あと10日ほどで初戦になる。勝てば予選突破が現実的になる。初戦が大事なのでしっかり準備したい」と本大会を見据えた。

 日本のU―20W杯での最高成績は小野(現札幌)らを擁した99年の準優勝。この日のミーティングで内山監督は、優勝を目指す挑戦を「超戦」と言い換え、選手たちに黄金世代超えを意識づけた。久保が描く青写真は、今大会を契機に世界のトップクラスの選手へ駆け上がること。だからこそ「一日一日が勝負になる」と語気を強めた。

 21日には南アフリカとの初戦が待つ。「ユース年代のアフリカ勢は本当に強い。そういうイメージを持っている」。バルセロナの下部組織では多くの特長を持った選手と渡り合った久保だが、「欧州、アフリカだからと決めつけるのではなく、相手を見てしっかりやっていきたい」と足元を見つめ直した。日の丸を背負う天才の戦いが、いよいよ幕を開ける。

 ▽U―20W杯大会方式 1次リーグは4チームずつの6組に分かれ、勝ちが3、引き分けが1、負けが0。勝ち点が同じ場合は(1)全体の得失点差(2)総得点(3)当該チーム間の勝ち点(4)得失点差(5)得点(6)反則ポイントの優先順で順位を決める。全て同じ場合は抽選となる。各組成績上位2カ国と各組3位のうち成績上位4カ国の計16カ国が1次リーグを突破。決勝トーナメントは90分を終えて同点の場合、前後半15分の延長戦。決着しなければPK戦で勝ち上がりチームを決める。

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