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15歳久保 堂々トップデビュー!FKでボール渡さぬ“大物感”

[ 2017年5月4日 05:30 ]

<FC東京・札幌>後半、FKが外れ悔しそうな表情を見せるFC東京・久保(右)
Photo By スポニチ

 YBCルヴァン杯1次リーグが3日、各地で行われ、FC東京U―18に所属するU―20日本代表FW久保建英(15)が札幌戦の後半21分からピッチに立ち、トップチームデビューを果たした。15歳10カ月29日での出場は、東京V時代のFW森本貴幸(28=現川崎F)に次ぐ大会史上2番目の年少記録。無得点に終わったが、自ら得たFKで決定機を見せるなど大物の片りんを存分に示した。試合も1―0で勝利を収めた。

 天才ドリブラーの一挙手一投足に、会場中がとりこになった。1―0の後半21分。久保がピッチに立つと、「クボコール」が巻き起こる。昨季のJ1得点王のピーター・ウタカと2トップを組んだ15歳は何度もスルーパスを通し、前線から猛プレスも見舞った。初のJ1のピッチでも物おじしない。大会史上2番目の年少デビューを果たし「やっと一歩を踏み出せた」と笑顔を見せた。

 最大の見せ場は41分だ。「あそこで仕掛けなければFWじゃない」と中央をドリブルで持ち上がると、相手MFがたまらずチャージではじき飛ばしてファウルを獲得。自ら得たFKを蹴るためボールは離さない。「蹴っていいよ」と日本代表の高萩、東、阿部から任されると「じゃあ、お願いします」と返し、ボールをセット。約25メートルの位置から左足でゴール左上を狙ったが、惜しくも枠の上を通過した。「本当に悔しい。決めなきゃいけなかった」。出場の喜びよりも無得点を後悔する姿に大物感が漂った。

 天才も人の子だった。会場入りすると大歓声が聞こえ、ベンチ裏では「緊張している」と先輩に漏らした。「応援の方に耳がいっちゃって、集中できなかったらどうしよう」。だが、ピッチに立てば、その心配は一瞬で消えた。「緊張している場合じゃなかったので」。試合後にはサポーターへ向けたパフォーマンスを永井に教える余裕すらあった。

 前日にU―20W杯メンバーに日本代表史上最年少で飛び級招集。この日はトップチームデビューを飾ったが、今後もU―23チームに軸足を置き、6日のJ3ホーム琉球戦に出場予定だ。「今の時点で同年代の他の選手より半歩くらい前にいれている。失速せずどんどん上に行きたい」。バルサ下部組織出身の有望株が、上々のJ1デビューを飾った。

 ▼日本協会田嶋幸三会長 久保がU―20日本代表に選出されたことは順当と言えば順当。(日本協会と)FC東京がしっかり話をして、大切に育てないといけない。

 ▼日本協会西野朗技術委員長 落ち着いていて、物おじしない。スムーズに入れた。こういう空気で自信、やれる感覚をつかめたと思う。

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