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小野 古巣浦和追い詰めた!6年ぶり埼スタで“至福の15分間”

[ 2017年4月23日 05:30 ]

明治安田生命J1第8節   札幌2―3浦和 ( 2017年4月22日    埼玉ス )

<浦和・札幌>試合終了後、浦和サポーターにむかってあいさつする札幌・小野
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 首位を追い詰めた。札幌のMF小野伸二(37)が22日、古巣・浦和戦の後半34分に登場。清水時代の11年6月18日以来、6年ぶりに埼玉スタジアムのピッチに立った。試合は先行されながらMF兵藤慎剛(31)が移籍後初ゴールを決め、小野投入で流れが変わった終盤にはDF福森晃斗(24)が直接FK弾。首位・浦和に2―3と最後まで食い下がり、勝ち点8の15位のままでも確かな足跡を残した。

 敵地の3万6880人が一気に沸いた。2点を追う後半34分。MF小野がピッチに入ると、浦和サポーターから盛大な拍手とブーイングの“ダブル歓迎”が起きた。6年ぶりの帰還だ。浦和流の愛のブーイングを受け止めて、小野は思い出のピッチで躍動した。

 「“あっ、ブーイングだ!”と思いながらピッチに入った。でも、それは当たり前のこと。(会場に)来る前は拍手かブーイング、どっちかなと思っていた」。小野は笑顔で振り返った。

 約15分間。短い時間でも古巣との対戦、そしてピッチを楽しんだ。「最高の一言です」。試合終了後は浦和サポーターに向けて手を叩き、スタジアムの四方向に一礼。最後にピッチに頭を下げて引き揚げる姿には、拍手だけが降り注いだ。

 試合は終始、押されていた。首位チームの言い知れぬ圧力。でも、DF福森の直接FK弾が生まれたのは小野投入の8分後だった。小野はダミーのキッカーとして福森の逆側に立ち、GK西川を揺さぶった。きっかけのファウルも小野のパスが起点だ。ボールを触った回数は少ない。ただ、存在感が違う。士気が高まったチームは浦和を2―3と追い詰めた。

 J2優勝を果たした昨季。小野は3年契約の最終年だった。札幌残留か移籍かをギリギリまで迷ったが、浦和の親友、MF平川の助言が残留の後押しになった。「(平川から)J1ならもう一度浦和のピッチに立てると言われ、そうだなと思った」。慣れ親しんだこのピッチでプレーすることが、モチベーションの一つになっていた。

 浦和相手に勝ち点は逃した。でも、札幌には小野がいる。「負けて悔しかったけど、素晴らしい環境でプレーできてうれしかった」。その言葉がチームの浮上を、たっぷり予感させていた。

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