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大宮に何が起きたのか

神戸に敗れ開幕6連敗となり、肩を落とす大宮イレブン
Photo By 共同

 【大西純一の真相・深層】J1大宮が苦戦している。開幕から6試合を消化して6連敗、得点1、失点10と攻守共にいいところがない。ようやく12日のルヴァンカップ柏戦で勝ち点1を挙げたが、0―0の引き分け。昨年はJ1でクラブ史上最高の年間5位になったが、いったい何が起きたのだろうか。

 14年8月にコーチから昇格した渋谷監督のサッカーはパスをつなぐスタイル。ロングボールをやたらと蹴っても相手に奪われるリスクが高いが、細かくパスを確実につなげば相手にボールを奪われる確率は低くなる。相手を圧倒し、スタンドで見ているファンも楽しめる。バルセロナやアヤックスなど欧州の強豪もこのスタイルだ。

 昨年も川崎Fや鹿島などの強豪も大宮との対戦に神経を使っていたが、今季はより入念に対策を練っている。開幕戦で川崎F戦にいい内容の試合をしながらセットプレーから先制され、ロスタイムにも守備のミスから失点し0―2で敗れた。第2節・FC東京戦も互角以上の戦いをしながら同じようにセットプレーから先制されて0―2で連敗。さらに格下の磐田、甲府にも敗れ、自分たちのサッカーに自信をなくした。ここで渋谷監督はマイナーチェンジして守備に重点を置く戦い方に変えたが鹿島、神戸に敗れて泥沼にはまってしまった。

 サッカーはどんなにいい内容でも勝てない試合が続くと一体感に欠けてくる。サッカーでは「シュート3本で1点」と言われるが、チャンスに決めきれない場面が続くと守備陣は攻撃陣に対して「何だよ、いいかげんに決めてくれよ」と思う。逆にリーグ戦6試合すべてで失点している守備陣に、攻撃陣は「しっかり守ってくれよ」と思ってしまう。これがサッカーの難しさだ。

 逆に内容が悪くても勝てば勝ち点3が入る。何本もシュートを打たれてもバーやポストに助けられて無失点、なかなか相手ゴール前に行けなくてもたった1本打ったロングシュートが入って勝つこともある。

 渋谷監督は「昨年と比べてウチが変えたと言うより、相手がウチの抑えどころをしっかりやってきた。ボールを動かされても、ここだけはというところを抑えようとしてきている。前での収まりが少なく、守備ラインの背後のアクションも少ない」渋谷監督はこう分析する。その原因のひとつが昨オフ、主力の家長と泉沢が移籍したことだ。

 「15年から細かいことを積み上げてきた。その中心のアキ(家長)とジン(泉沢)が抜けたのだから、違うことにトライする選択肢もあった。同じスタイルでやれる選手が来たが、J1ではすぐに結果は出ない。積み上がったが、ピースが抜けて埋めて同じイメージでやれるのには時間がかかる。ローマは1日にしてならずですよ」

 渋谷監督はキャンプで違うやり方を試すことはなかった。

 攻撃の精度が上がれば勝てる確信がある。鹿島戦、神戸戦で変えた戦い方を元に戻す可能性は高い。中盤ではパスがよくつながっており、あとはパスがゴール前につながればいいだけ。方向は間違っていない。監督がぶれずにいる間にきっかけをつかめれば、トンネルは抜けられるはずだ。(専門委員)

 ◆大西 純一(おおにし・じゅんいち)1957年、東京都生まれ。中学1年からサッカーを始める。81年にスポニチに入社し、サッカー担当、プロ野球担当を経て、91年から再びサッカー担当。Jリーグ開幕、ドーハの悲劇、ジョホールバルの歓喜、W杯フランス大会、バルセロナ五輪などを取材。

[ 2017年4月15日 08:30 ]

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