×

大久保嘉人 FC東京を強くしたい だから気づいたことは絶対言う

[ 2017年4月4日 12:30 ]

大久保嘉人のヨシトーーク!

FC東京の大久保
Photo By スポニチ

 サッカー新企画としてFC東京の元日本代表FW大久保嘉人(34)による新コラム「ヨシトーーク!」がスタート。J1通算最多172得点を誇るストライカーの切れ味鋭いコラムを隔週の火曜日紙面で掲載します。第1回は移籍後初得点で、思い出した若い頃、そしてチームへの熱き思いを語ります。

 3月18日の多摩川クラシコで移籍後初ゴールを決めた。正直、焦りはめちゃくちゃあった。早めにゴールを決めればトントンと行ける。でも、期待されていて早めに点が取れないと、不思議となかなか取れなくなる。それは嫌だったから。

 どのチームでも初ゴールは特別なもの。ルーキーの時に戻る感覚があって、当時を思い出した。セレッソ時代は先輩にいろいろ言われていた。西沢さん(元日本代表FW)や森島さん(元日本代表MF)…あの時は凄いメンバーだったから。「おまえ、よくプロになったな」「そんなこともできないのか」とかね。「うるせーな!」とか思いながらも、内心はビビっていた。そんなこと今まで言われたことがなかったし、自分が正しいと思っていたから。聞かないわけにはいかなかった。

 そう言ってくれる人がいたから、俺は成長できた。今では(中島)翔哉や(橋本)拳人、若手にどんどん要求する。それができれば、代表に行けるかもしれない。1ランクも2ランクも上に行けるから。川崎Fの時、(大島)僚太は最初、縦パスを全然入れなかった。俺は「入れられるように、どうにかしないと。そうなれないなら試合に出るな。違う選手がいる」と言ってきた。僚太はヤケクソじゃないけど、どんな難しい体勢でも縦パスを入れるようになった。そのおかげで、チームはどんどん攻撃ができた。怒るのはめんどくさいし、パワーもいるけど、若手が成長することでチームも強くなって、良い循環になっていく。

 俺はFC東京を強くしたい。だから、気づいたことは絶対言う。それがチームのためになるなら現役代表でも関係ない。チームでやれていないことは言っていく。みんなギラギラした思いを持っている良い集団だから。

 ▼大久保 嘉人(おおくぼ・よしと)1982年(昭57)6月9日、福岡県出身の34歳。国見高卒業後の01年にC大阪へ入団。マジョルカ、神戸、ボルフスブルク、川崎Fを経て今季からFC東京に加入。川崎F時代の13〜15年にJリーグ史上初となる3年連続の得点王。年代別の日本代表でも活躍し04年アテネ五輪、10年W杯南アフリカ大会、14年同ブラジル大会に出場。J1通算376試合172得点。国際Aマッチ通算60試合6得点。1メートル70、73キロ。利き足は右。家族は妻と息子4人。

続きを表示

この記事のフォト

2017年4月4日のニュース