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ザック氏、悩める本田の現状分析「システム合わない」「また輝ける」

[ 2017年3月24日 08:30 ]

ザッケローニ氏(左)が日本代表監督時代に本田は不動のトップ下で活躍した
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 14年W杯ブラジル大会で日本代表を率いたアルベルト・ザッケローニ氏(63)がスポニチ本紙の独占インタビューに応じ、日本代表MF本田圭佑(30=ACミラン)について語った。イタリア人指揮官は、かつて自身がリーグ優勝へ導いたACミランで苦悩する今季の本田について分析。米MLS移籍が噂される今後についてもコメントを寄せた。

 本田は今季、モンテッラ監督が就任したミランで公式戦32試合のうち6試合出場、わずか120分とプレー機会が激減している。ザッケローニ氏は「圭佑が今の状況になったのは、全てモンテッラが選択した4―3―3というシステムの問題。このシステムに本田は全く合わない」と、その一番の要因に戦術システムを挙げた。

 本田はザックジャパン時代、トップ下として君臨。ザッケローニ氏は「圭佑はサイドの選手ではない。サイドはカバリングにも追われるし、局面を劇的に変えるスピードもない」と説明。インザーギ監督時代の14〜15シーズンには、同システムで開幕7試合6ゴールと活躍したが「4―3―3にも適応できる。ただ特長を最大限に引き出すためには、ピッチ中央で常にプレーの中心にいる必要がある。圭佑だけでなく、日本人は高い頻度でボールに触る必要がある」と強調し、「決して落第ではない。システムに合わないだけ。モンテッラもそれを十分理解し、当然ながら起用していないだけ」と分析した。

 本田は6月末でミランとの契約が満了。退団が確実視されている。移籍は失敗だったのかという問いに、ザッケローニ氏は「ミランはいろんな問題もあり、本田という選手を生かし切れなかった」とし、「圭佑は自らの価値を証明できず、失望して去ることになるだろう。間違いない」と本田の胸中を代弁した。

 米MLSへの今夏移籍が噂される本田。ザッケローニ氏は「W杯ロシア大会に向け、彼が今必要なのは継続的にプレーすることだけ」と指摘し、「それができれば、また日本代表をけん引することになるだろう」と、ミランで苦悩するかつての“愛弟子”へエールを送ることも忘れなかった。

 ◆アルベルト・ザッケローニ 1953年4月1日、イタリア・メルドラ生まれの63歳。30歳の83年に当時4部のチェゼナーティコの下部組織で監督業をスタート。ウディネーゼを経て98〜99シーズンにACミランの監督に就任し、1年目でリーグ優勝。その後はユベントスなどを指揮し、10年8月に日本代表監督に就任。14年W杯ブラジル大会は1次リーグ敗退で大会後に退任。15年は中国・北京国安を指揮したが、成績不振で解任された。

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