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長谷部、UAE入り 「今週手術」発表もハリル監督“強行招集”

[ 2017年3月20日 05:30 ]

ドバイ国際空港に到着した日本代表の(左から)DF酒井高、MF長谷部、FW浅野
Photo By スポニチ

 W杯アジア最終予選UAE戦、タイ戦に臨む日本代表は19日、アルアイン合宿をスタートした。6大会連続のW杯出場に向けた大一番を前に、MF長谷部誠(33=フランクフルト)の左膝負傷が深刻だったことが判明。所属クラブが今週中に手術することを発表したが、バヒド・ハリルホジッチ監督(64)は強行招集を決断した。患部の状態を確認した上で、今後の方針を決める。同日夜にUAE入りした長谷部は険しい表情で合宿地のアルアインに向かった。

 ドバイ国際空港に降り立った長谷部の表情は険しかった。UAEとの大一番を前に左膝を負傷。クラブ側が手術を発表する一方、ハリルホジッチ監督からは強制招集された。「これから(監督と)話します」と切り出した主将は、23日のUAE戦への出場可否を問われると「それも含めて(監督と)話します」と繰り返した。

 長谷部は11日のバイエルンM戦でポストに激突。すねを6針縫い、左膝も負傷した。一度は練習を再開したが、16日のMRI(磁気共鳴画像装置)検査の結果、左膝が重傷であることが判明。所属クラブは18日、今週中に手術を受けることを発表した。

 ハリルホジッチ監督も事態の深刻さは受け止めている。「ムズカシイ状況であることは皆さんもご存じだと思います」と日本語を交えながら状況を説明。それでも「代えの利かない我々の強いキャプテン。彼なしのチームは考えられない」と絶大な信頼を置く主将の招集にこだわった。日本協会側はドクター、メディカルスタッフが患部の状態を確認した上で、フランクフルト側と連絡を取り合いながら早急な手術が必要かを含めた判断を下す方針。仮にプレーできない場合も精神的支柱としての帯同を検討している。

 長谷部は10年W杯南アフリカ大会以降の最終予選で、出場停止の3試合(全て本大会出場決定後の消化試合)を除く全試合に出場。国際Aマッチ出場104試合は日本歴代6位を誇る。ハリルホジッチ監督はUAE戦を「たくさんのプレッシャーがあり、経験値が重要になる」と分析。34歳の今野を約2年ぶりに招集するなどベテラン重視のメンバー構成にしたが、最も経験値のある不動のボランチがアクシデントに見舞われた。欠場は濃厚で、万が一、ピッチに立てても万全にほど遠いことは確実。それでも招集を見送れない事実が、厳しい台所事情を物語っている。

 ▼日本協会西野朗技術委員長 (左膝負傷の)長谷部選手についてはUAEに入ってハリルホジッチ監督と話し合ってから今後を決めたい。追加招集は現状、言われてません。監督も“長谷部ありき”の思惑があったと思う。最後の最後まで、そのイメージは捨てたくないのでは。準備期間も短いですし。僕からは何も言えないですが、聞いてる限りでは難しい。膝ですからね。

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