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ハリル監督“中東の笛”対策へ経験重視「本田の存在が重要」

[ 2017年3月17日 05:30 ]

本田らの日本代表メンバー入りを発表するハリルホジッチ監督
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 日本サッカー協会は16日、W杯アジア最終予選UAE戦(23日、アルアイン)、タイ戦(28日、埼玉)を行う日本代表25人を発表した。バヒド・ハリルホジッチ監督(64)は、所属クラブで2カ月近く出番のないMF本田圭佑(30=ACミラン)を選出。MF今野泰幸(34=G大阪)を約2年ぶりに招集するなど経験重視のメンバー構成で6大会連続のW杯に向けた大一番に臨む。 日本代表メンバー  W杯アジア最終予選B組順位表&日程

 それでも、ハリルホジッチ監督は選んだ。本田は17年に入ってからの公式戦出場は終了間際にピッチに立った1月25日のイタリア杯ユベントス戦だけ。昨年10月25日のジェノア戦を最後に先発から遠ざかり、地元紙は15日の練習を風邪で欠席したと報じた。16日に復帰したとはいえ、ミニゲームは回避したという。

 コンディションは不透明だが、指揮官は「今の代表は本田を必要としている。我々のトップストライカーで、一番点を取っている。代わりがいるのか考えないといけない。次の試合はたくさんのプレッシャーがあり、プレーだけでなく存在が重要」と説明。自身の就任後、国際Aマッチ17試合9得点を記録する背番号4の重要性を口にした。

 ハリルホジッチ監督は所属クラブで出場機会が激減中の長友も選出。「本田と長友は欧州のビッグクラブに所属しており、トレーニングするだけでも違いがある。信頼している」と語った。ボランチには34歳の今野を15年3月のチュニジア戦以来、約2年ぶりに選び「UAE戦は経験値が必要。今野はフィジカル的な戦いでも有用」と説明。若手を積極起用する方針からベテラン重視にかじを切った。

 苦渋の決断だった。昨年9月1日のUAE戦は先発に抜てきした大島(川崎F)がPKを献上するなど2失点に絡み敗戦。南野(ザルツブルク)、遠藤(浦和)らも殻を破りきれずにいる。指揮官は「少し恐れていると感じた」と若手の底上げが少ないことを嘆いた。UAE戦の舞台となるアルアインの3月下旬の平均最高気温は30度超。中東勢とのアウェー戦は独特で、指揮官が「厳正な判定を期待している」と訴えたように“中東の笛”と呼ばれる微妙な判定もある。ラフプレー、肉弾戦も含め環境の変化への対応が不可欠で、中東相手に通算14点(アウェーで3点)を挙げた本田を筆頭にベテラン重視になるのも当然だった。

 最終予選は3勝1分け1敗のB組2位で折り返した。勝ち点1差に4チームがひしめき、UAE戦に負ければ4位転落の可能性もある。指揮官は2月に欧州行脚して、大半の欧州組と接触。「試合に出ていない選手を招集するのは難しい」と直接伝え、移籍を勧めるなどしたが、結局は前言を撤回してベテランに頼らざるをえない状況に陥った。負け方次第ではクビの話も再燃しかねない決戦を前に、世代交代を進められないジレンマが続く。

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