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俊輔“代名詞”で磐田1号!自身のJ1最多FK弾「23」に更新

[ 2017年3月12日 05:30 ]

明治安田生命J1第3節   磐田2―1大宮 ( 2017年3月11日    NACK )

<磐田・大宮>前半5分、FKで先制点を決める磐田・中村俊
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 磐田の元日本代表MF中村俊輔(38)が待望の移籍後初ゴールを決めた。各地で6試合が行われ、磐田は敵地で大宮と対戦。中村俊は0―0の前半5分に、昨年4月2日のG大阪戦以来となる直接FK弾を得意の左足で叩き込んだ。自身の持つJ1歴代最多記録を23に更新する一発で、チームを2―1の今季初勝利へ導いた。

 移籍1号はやはり得意のFKだった。前半5分、ゴール正面約18メートルで得たFK。中村俊が得意の左足で放った低い弾道のボールは、5枚の壁の右隣に立っていたチームメートの頭上を越え、相手GKが必死に伸ばした両手の先を抜けゴールネットに突き刺さった。拳を握った右手を突き上げDF大井と抱き合うと、背番号10の周りには自然と歓喜の輪。「新しいチームに来たんだなあと実感した」。自らが大きく貢献した、チームの今季初勝利をかみしめた。

 自身のJ1最多記録を更新する23本目の直接FK。相手GKとの瞬間の駆け引きが生んだ一発だった。普段は横にチームメートを立たせない中村俊だが、この日は横に立った太田が蹴る直前にまたぐフェイント。「(相手GKが)敏感に反応した」。当初はカーブで左サイドに蹴る予定だったが、瞬時に逆サイドへ、振り抜かずに強いライナー制のキ ックに変更した。神経を研ぎ澄ました中で生まれた待望の一発だった。

 この日は東日本大震災からちょうど6年。大地震発生時、横浜・みなとみらいの横浜のクラブハウスの中にいた中村俊は、チームメートとともに外に避難すると、対岸の千葉のコンビナートから火が出ている光景を目の当たりにした。サッカーが当たり前にできる日常の尊さを感じた瞬間だった。この日の試合前、ミーティングでは名波監督から「関わった人たちのためにできるのは、サッカーしかない。しっかりやろう!」という言葉があった。終盤には左サイドバックの位置に戻ってカバリングするなど、中村俊も交代する後半ロスタイムまで全力で走りきった。

 過去2試合無得点だった磐田は、エースの得点で勢いに乗り、攻守に相手を圧倒。「やっと勝った。たかが1勝ですけど、僕にとっては、大きな1勝」。慣れ親しんだ横浜を離れる大きな決断を下した今回の移籍。「挑戦」と位置づける中村俊が、新天地で自らの価値を証明した。

 ≪俊輔 直接FK弾48点目≫中村俊が自身が持つJ1リーグ通算直接FKゴールの最多記録を23得点に更新した。磐田での移籍後初ゴールによってJ1在籍14年間(97〜02、10〜17年)全てで得点。直接FK弾は14年を除く13年間となった。これで所属4チーム(横浜、レジーナ、セルティック、磐田)で決めた直接FKは通算48得点。あと2点でクラブ50点目となるが、今季中に達成できるか。

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